ラストエンペラー 劇場公開版4Kレストア
映画館で観れてよかった
観てそうで観てない作品で自分の中でおなじみだったベルドルッチの「ラストエンペラー」の4K上映がやってるということで最近観てきました。
映画館で観ないと、もう観ることはないだろうな…っていう上映時間の作品っていくつかあると思うんですが、そのうちの1本だったので、今回上映してくれてまじ感謝。
というわけで、映画好きと言いつつ実は観ていなかった(ベルドルッチで唯一観てなかった)ラストエンペラー、まじでよかった!映画館で観れてよかった!!
とにかく、金かかってるなぁ…というの画面の豪華さとリッチさがにじみ出てて本当に素晴らしかったです。紫禁城まわりのシーンは本当に凄くて、もう今は撮れないんだろうな…というリッチな金のかかった描写だらけで最高でした。
ラストエンペラーという題名は知っているが、なんの話を撮ってるのかまったく知らないほぼゼロ知識だったので(恥ずかしながら)、本当に初見を映画館でこの映画を観れてよかったです。
なんなら主人公がこの城の外がどうなってるのかを初めて知るタイミングで自分も外の中国がどうなってるのか知ったので、ああ!ということはこの話か!とそっからさらにブーストがかかったまであるくらい。ゼロ知識で映画観るって尊いなと思った次第。
歴史というものの身もふたもない残酷性と不条理さ、そしてどんな状況でも井の中の蛙でしかいられなかった、常に檻の中にいることから逃れられなかった主人公にほんと何とも言えない気持ちになりましたね…。中国という国の歴史というものの、興味深さと言っていいのかあれだけど、歴史の推移事態のおもしろさに加えて、後半の満州パートはほんとにつらいことしか起こらないので、ほんとにキツかったり。戦争はクソであるというのを本当に感じたり。あと最後の毛沢東時代の歴史は繰り返すし、もっと最悪になっちゃったという絶望など、最初から最後まで本当におもしろかったし、本当に今更ですが、忘れがたい1本になりました。
あと恐らくとんでもなく有名であろうラストシーンは、ちょっとここ数年観た映画でも屈指のラストシーンですごかったなぁ…。今、ラストエンペラーを観て感動している平成生まれの私ですが、こういうこともあるので、やっぱ名作のリバイバルって必要なんだな、と身をもって感じた、そんな「ラストエンペラー」でした。映画館最高。