NHKドキュメンタリーと共に/「シン仮面ライダー」を観た | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 

 

 

  シン仮面ライダー

 

 

 

 

 

 

NHKIドキュメンタリーと共に

 

 

GWにたまってた映画感想を一掃する企画第4本目。

庵野監督「シン仮面ライダー」と、あとついでにNHKのドキュメンタリーも観たのでその感想を。

 

仮面ライダーは世代ではないし、世代的には平成ライダー世代だけどそっちも思い入れがない、という立場の感想にはなりますが、まじでおもしろくなかったです…。シンウルトラマンも結構きつかったけど、それ以上にキツくて、映画館を早く出たい気持ちでしたが、なんとか最後まで見終えました。

 

結局この映画は何がしたかったのか、最後までわからなくて、過去の仮面ライダーに思いを馳せる映画にしたいのか、過去の仮面ライダーを踏襲しつつ新しいものを見せたいのか、結局この企画はどこに向かってるんだ…って思ってたら映画が終わっちゃいました。

 

まず、この映画の一番の問題は画面がつまんねぇということだと思ってて、庵野作品特有のエヴァっぽい食い気味の編集とか、ビキっと決まった構図みたいなのが、今回はかなり中途半端で。これまでのシンシリーズはそこがまだあったので、なんでもないシーンも編集で見せてくみたいなことがあったんだけども、今回はまじで画面が退屈だし、これまでの庵野作品の中でもこんなに俳優のバストショットと説明台詞が続く映画もあんまなかったよなと思うくらい。なんか画面がおとなしくて退屈でした。

 

あと、なんといってもアクション。まじで最悪でした。

昭和のライダーのオマージュでダサくしてるのか、単純にアクションが描けてなくてダサくなってるのか、まじでわからない…。生身感を大事にしてるのかと思ったら、今それやる?っていうCGアクションが出てきたり、全体的に迷走しまくってるのが観てる観客側に伝わってきて、なんというか見てて不安になるんですよこの映画。最後のクライマックスのアクションとか、ここ数年で観たアクション映画のクライマックスアクションでも屈指のグダグダとダサさでまじで退屈だし苦痛でした。

 

で、その後NHKのドキュメンタリーをおすすめされたので、そっちを見たら実態がいろいろ浮かび上がってきて、むしろその後観たNHKドキュメンタリーの方が楽しめましたね。

 

私もモノづくりの指揮をとることが仕事柄多いので、すごいこのドキュメンタリーが刺さって、現場がうまくいかなくなる時のお手本のようなことが描かれ続けていました。まじでこのドキュメンタリーはおもしろかった。何かがダメになるときの教科書的な意味でNetflixの傑作ドキュメンタリー映画「FIRE」にも通じるものを感じました。

 

なにか自分の頭にあるヴィジョンを言語化・可視化して共有することの大事さ、そして頭の人のそのヴィジョンがなくなっちゃったときのヤバさみたいなものをひしひし感じて。自分に重ね合わせると怖さをすごく感じた、とても興味深いドキュメンタリーでした。

 

というわけでシン仮面ライダーでした。