誰かにご飯を作ること。/「舞妓さんちのまかないさん」を観た | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 

 

  舞妓さんちのまかないさん

 

誰かにご飯を作ること。

 

そもそもドラマを観るのが苦手だった私が、新年あけてからこの「舞妓さんちのまかないさん」、Disney+「ガンニバル」、神ゲーのドラマ化 HBO「THE LAST OF US」と、3本のドラマを観ててほぼ映画を観てないという異常事態な2023年。というわけで是枝さんのNetflixドラマ「舞妓さんちのまかないさん」を観ました。原作未読、アニメ版も未見ですが、予告があまりにも良すぎて超楽しみにしてた本作。ほんとにこんな素晴らしいドラマにいきなり出会っちゃっていいの?というくらいものすごく良質で上質な作品でした。あまりに素晴らしすぎた…!

 

 

美術監督の種田陽平さん、音楽の菅野よう子さん、撮影の近藤龍人さん、この辺のもう超豪華スタッフ陣のパワーが遺憾無く発揮されてて驚くほどに画面がリッチだし、音楽が心地いい。こんなに贅沢な作品ないんじゃないかな?というくらいほんとにリッチな作品でしたね。

 

この作品、実はもう3周くらいしてるんですが…。それくらいグッときてて。個人的には忘れ難い1本になりました。舞妓さんを扱った作品ではあるけど、やはりこの作品は「誰かにご飯を作ること」についての作品だなと思いました。ものづくりを生業としている私としては、この部分に死ぬほどグッときました。

 

誰かを思って作ったごはんが、物語を動かし、誰かの背中を押す。ごはん、飲食物にはそういうパワーがあるんだよなと。この辺は自分の仕事と物凄く重なって、新年早々ものすごい仕事のモチベーションが上がったんですよね。身が引き締まったというか、ほんとに見て良かったなと思いました。

 

あとはまぁとにかくキャラクターがみんなキュートでね…。彼女たちの日常をずっと見ていたいよと、心底思いながら最終回を見終えました。日常系であり、お仕事モノであり、ご飯モノでもありつつ、原作未読だからこそびっくりしつつ良かったのは物凄く美しく超良質なシスターフッド作品であった、というところだったりしました。

 

キャスティング、美術、音楽、演出、撮影、もうとにかくありとあらゆる要素が完璧に絡み合いつつ、個人的に刺さるテーマであったこと。そしてここ数年の中でも屈指の日常系作品であり、シスターフッド作品であったこと。あと、ここ最近の是枝作品にまったくハマってなかったこともあって、やっと見たかった是枝作品がきたこと……と、まぁとにかくこんな豊かでリッチでキュートで泣けるドラマそうそうないなと感謝でいっぱい。素晴らしい作品でした。