ブラムハウスの今年最高のホラー「ブラック・フォン」を観た | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 
 

  ​ブラック・フォン

 

 

監督:スコット・デリクソンさん

出演:イーサン・ホークさん、他

ブラムハウスの今年最高のホラー

 

 

 

誕生日は仕事を休んで、映画館にこもる。というのを社会人になってから続けていまして、久々に2日で6本映画を一気に観たのですが、その2本目。

 

ブラムハウスの新作ホラー「ブラックフォン」を観ました。監督はスコット・デリクソン。MCUで仕事してたので、久々のホラー復帰。すごく楽しみにしておりました。てなわけで、ブラック・フォン、今年ベスト級の素晴らしい映画でした。これ以上何がいるのか。文句ない1本でした。

 

スコット・デリクソンがドクターストレンジ続編をやらなかった世界線に感謝したくなるほど。とてつもなく良かった。スコット・デリクソン、ホラーへの華々しい帰還とでも言いましょうか。これからも良質なホラーを量産し続けてほしいものです。この映画、ホラーとしても、スリラーとしても、そしてジュブナイルとしてもほんとに素晴らしくて、すべてが高水準。こちらの思ってたひとつ上のレベルのものを提供してくれるサービス精神に感動すら覚えました。

 

基本的に物語のベースは誘拐事件を基にしたスリラーなんだけど、そこにホラー・心霊映画の味付けがなされててそこがまじ素晴らしい。誘拐事件そのものも、イーサン・ホークの造形のヤバさ含めまじでハラハラでした。あの階段上で裸で待ち構えてる姿の異常さとか後若干の人間味とかも含め、敵役としてマジでよかったな。

 

あとなんといっても主人公の兄妹がまじでいい。ちょっとした描写の積み重ねがすごいよくて、この2人なら確かに声なき者の声を聞けるかもというなんとなくの説得力があり。特に妹はすげぇよかったなぁ。死者・生者含め、子供たちの力で問題を解決していくというのもアツいし、何よりひ弱だった主人公がベスト・キッドみたいに訓練をして危機を脱するという死者との訓練描写はまじで感動しました。

 

昨今の色んなニュースを見る中、社会から知らぬ間にいなくなった「声なき者の声」を聴くことの重要性をすごく考えています。当たり前に生きているこの世界には、確実にあの時いた「声なき者の声」でこの世界はあふれている。基本的に不条理で絶望にあふれた映画ですが、そんな「声なき者の声」を武器に立ち向かう主人公たちの姿はこの今の時代にとって大事な何かを提示していたように思わなくもない。ただのホラー、ただのスリラーでは終わらない深さと、そして重要なのはエンタメとしてのとびぬけた面白さが両立しているという今作。傑作と言わざるを得ません。ほんとに観てよかった。声なき者の声を聞け!