トップガン続編「トップガン マーヴェリック」を観た | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。



  ​トップガン:マーヴェリック




監督:ジョセフ・コシンスキーさん

出演:トム・クルーズさん、他

トム・クルーズによる、変わりゆく映画への抵抗



コロナ明け(?)ということで我が社も出張が解禁になりまして、私も久々に東京へ。ちょうど出張中に「トップガン マーヴェリック」が初日を迎えるということで、池袋グランドシネマサンシャインへ。私が東京を離れたタイミングでオープンしたグランドシネマサンシャイン、もちろん目的はIMAXレーザー。コロナもありなかなか東京に来れなかったのでようやくIMAXレーザー初体験となりました。しかも初IMAXレーザーが、トップガンとは、まじで運が良かった。


というわけで、初日に初のIMAXレーザーで観た「トップガン マーヴェリック」超大傑作!!大興奮と感動と感謝のぶっちぎり今年ベスト。とんでもない映画体験になりました。最高すぎるよ!!



この映画、何度も公開延期されて、たぶん近年最も予告編を映画館で観た映画ですよね。予告編を見過ぎでもうすっかり観た気になってた観客も多いんじゃないでしょうか。私もそうでした。ここまで膨れ上がった期待が予告を見過ぎで若干の飽きになりかけてきていた本作。観てみるとそんな杞憂は吹き飛ぶほどの傑作でもう心掴まれまくり。


これまで様々な大作が公開されたけど、ここまでシンプルに「映画ってこれだよな」と思わされた映画はちょっと思いつかないかも。デッカくて早い飛行機がスクリーンをカッコよく縦横無尽に飛ぶ。そんなシンプルさというか、映画を観るということのどこか原初的な感動みたいなものが詰まりまくってて。なんというか、生理的に感動・興奮したというか、理屈じゃない、映画の根源的な興奮を呼び起こすような1本に今この時代にトップガンの続編がなしえたという凄さ。近年最も「映画」を感じました。


映画というものがどんどん形式を変え、時代が変化していく中、「いつか変わるかもしれないが、今日ではない」というセリフのように本来映画とは何だったのか。トム・クルーズによる変わりゆく映画というものへの抵抗のようにも見えた「トップガン マーヴェリック」その心意気に涙しました。



お話はこれでもかとシンプルで余計なことを考えなくていい作りなのも良い。映画開始すぐの前作オマージュ(ここまでやるの??)は思わず笑っちゃうくらいのものなのですが、ここで「トップガン」を観るというスイッチを押されます。


物語も人間関係の焦点をしっかり絞ることで、積み上げてきたものが最終的に爆発的な感動になる。とにかくシンプルな作りで、それこそ無駄が削ぎ落とされた戦闘機のような美しさがあり。30うん年抱えてきた後悔と、トム自身が決着をつけるような物語には涙。ファンへの目配せ、作り手の熱量、オリジナルへの感謝、大作としてのカタルシス、荒唐無稽さ、様々な要素を渾然一体にし、「なんじゃこりゃー!でも大興奮じゃー!うおーー!!」とばかりにスクリーンに目を奪われるしかないクライマックスには感服しました。


トップガンの続編を真摯に作った結果、映画というものの根源的な何かに触れた大傑作になってしまった、「トップガン マーヴェリック」。今年ベスト候補どころか、ここ数年の娯楽映画を更新する素晴らしい1本になりました。映画とは本来何なのか、2022年になって今一度トム・クルーズにわからされる映画だったな。大傑作でした。