ウルトラマン門外漢が「シン・ウルトラマン」を観た | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 
 
※ネタバレあり
 
 

  シン・ウルトラマン

 

 

 

監督:樋口真嗣さん

出演:斎藤工さん、他

ウルトラマン門外漢が観たシン・ウルトラマン

 

 

 

こちとら平成生まれで、ウルトラマンは世代的にティガとかが幼少期なんですが、特撮に思い入れがないまま育ったのでウルトラマンへの思い入れはゼロに等しいという、ウルトラマン完全門外漢。そんな私がシン・ウルトラマンを観てきました。

 

 

全体的に気になったのは、「これってドラマシリーズにした方が良かったんじゃない?」と思うくらいのお話の奇妙な数珠繋ぎ感で。

 

ウルトラマンを知らない私が観ても、これテレビの代表的なエピソードを繋げたんだろうな、と思うくらいの感じだったりして。特に中盤あたりからお話の推進力というかグルーヴが急に失われていく感じがやや気になり、尺の割に中盤から後半にかけて飽きてきた…というのが正直なところ。

 

それによるものだと思うんだけど、最終的な締めがウルトラマンが人間を好きになったから人間側に付くわっていう締めなんだけど、少なくともウルトラマン知識ゼロで映画だけ見てた身としては、そんな言うほど人間との交流描かれてなくない?って思っちゃいましたね。

 

ウルトラマンの感情が物語キーになるほど、映画そのものが感情と交流を描いてないってのが、ラスト周りかなり気になりました。なんか急に終わった(終わらせた)なぁみたいな。恐らくずーっとやってたドラマだったら、観てる側もそのウルトラマンの決断に思い入れることができてたんだろうけど、今回のたった2時間では無理だったのかしらとか思ったり。

 

あとウルトラマンも頑張るし、人間側も頑張るみたいなラストバトルも、人間側の頑張りがまったく画として見えないからまじ盛り上がらない…というのが残念。人間側が科学をもってしてラスボスの弱点を見つけるという展開って一番盛り上がりそうなところじゃん!って思うんですが、基本的にVR会議と有岡君の視点だけでいつの間にか弱点が見つかり、とんとん拍子で敵殲滅というラストは正直微妙でした。もっと人間側の連帯と科学技術総決算の末の弱点発見というすごさを「画」で見せてほしかったなぁと思います。

 

ウルトラマン登場、長澤まさみ登場くらいの序盤は見ててすごい楽しかったです。

 

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あと随所に性癖駄々洩れな感じはちょい引きましたが、長澤まさみを巨大化させたいという執念を感じた中盤の展開はそのあまりのモロな感じに笑ってしまいました。長澤まさみを巨大化させたい気持ちはとってもわかるが、それ今やるとアレだぞ!とは言ってやりたくはなったけど、個人的にはあの見せ場は嫌いじゃない。元を知らない分まじびっくりした。なんなら巨大化させる前提でキャスティング考えたまでありそう。ただそのあとのにおい云々の奴はきもかったかな…その前にわざわざお風呂入ってない件を言わせるあたりにホンモノの変態性が垣間見えすぎててやや引いたかな…。

 

ウルトラマンまわりのアクションは楽しくて、予告にもあるスペシウム光線で山を切り裂くシーンはすごい迫力と画面でした。あとまるで子供がおもちゃで遊んでいるかのようなクルクル回りながら敵の光線をはじくアクションとか、荒唐無稽だけどなんか懐かしい気がするアクションは観てて楽しかったです。ただ1個気になったのは、なんかあんまりウルトラマンがデカく感じなかったぁというのが気になったかな。なんか位置関係おかしい切り返しとかけっこうなかった?そこでそう見えるってことはこのデカさはおかしくない?みたいな。気のせいか?なんなら長澤まさみが巨大化したシーンが一番デカさを感じたりした。

 

あとよかったところ。もうラスボスに打つ手がないってなった後半、地球は滅亡するけどそのことを伝えず、何気ない日常で終わらせようと政府が決断するところはなんかすごいリアルでした。それまでわ~日本っぽいなぁって思うシーンはいくつかあったけど、ここが一番なんか日本っぽいって思ったなぁ。

 

というわけでウルトラマンへの思い入れゼロの人間がシン・ウルトラマン観ましたが、おもしろくは観ました。シン・ゴジラ級に問答無用におもしろい!みたいな感じではないし、気になるとこが多くて大傑作とは思わないけど、駄作とも思わないし…ま、普通、でしたね。そんなシン・ウルトラマンでした~。