スピルバーグ新作「ウエスト・サイド・ストーリー」を観た | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。



  ​ウエスト・サイド・ストーリー



監督:スティーヴン・スピルバーグさん

出演:アンセル・エルゴードさん、他




スピルバーグの新作ということで、「ウエスト・サイド・ストーリー」を観てきました。予告があまりに素晴らしすぎたので期待値かなり上げてましたが、いや〜素晴らしかったです。


とにかくヤヌス・カミンスキーの撮影がキレッキレで、全シーンがただならぬ完成度。惚れ惚れとする撮影の数々でたまらんものがありました。後期のスピルバーグ作品の中でもトップ級、ヤヌス・カミンスキーのお仕事では1番好きかもしれないくらいでございました。


ロバート・ワイズ版も好きですが、今作は特にミュージカルシーンの凄みがかなり進化してたなと思います。全てのミュージカルシーンが忘れがたい。めちゃくちゃ練習したんやろな…というくらい、この導線の管理とか考えると気が狂いそうになります。


どれも最高ですが、特にダンスパーティシーンはヤバいでしょ。物凄く心躍りました。そしてそこで行われる主演2人の出会いのシーン。今この時代に目と目で通じ合う一目惚れシーンをあんなに素晴らしく描けるものかと。あのシーンは確実にマジックが起きていたし、すごいワクワクしたなぁ。


そこからの予告にもある「Tonight」も最高。それまでのカラフルなシーンからの対比で光と闇を上手く使ったカミンスキーの本領発揮とも言える素晴らしい撮影と空間使いでした。


まぁそっからなんやかんやありましてラスト周辺に行きますけど。印象的だったのはさっき自分の兄を殺した男と(愛してるとはいえ)セックスするシーンはなんかちょっと笑っちゃいましたね(笑)もうちょい中盤に2人が心通わせるシーンがあったらより飲み込みやすい気もしたけど…いややっちゃうんだ(笑)というのは改めて思ったりしながら見てたかな〜。まぁでも今作はより主人公たちが若く見えるというか、どっちかというとジュブナイル寄りと見てもいいんじゃないかなというバランスになってて。大人の恋愛というよりは子供の恋愛に旧作よりも見えるというか。だからなんか早急な展開とかもこの辺のバランスで見やすくなってるかなとも思いました。


ラストなんかも元となったシェイクスピアばりの苦い悲恋とも見れるけど、どっちかというと若い男女の長い成長たんとして私は見ましたね。


役者陣も顔がみんな良かったなぁ。特にアニタを演じたアリアナ・デボーズ。オスカー確実じゃない?というくらいの存在感で、ぶっちゃけ主演2人を食ってるレベルの素晴らしい演技でした。


アンセル・エルゴードの問題もあったり、色々あった本作、ぶっちゃけ観る上でノイズがなかったかといえば嘘になるけど、でも観てみると「映画」そのもののはち切れんばかりのパワーに圧倒された、さすがスピルバーグさすがカミンスキーと言わざるを得ない一本になっていました。傑作だと思います。