ドラゴンクエスト ユア・ストーリー/ドラクエ弱者ですが、観てみたよ | そーす太郎の映画感想文

そーす太郎の映画感想文

しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 
 
 
 
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
 
ドラクエ弱者ですが、観てみたよ
上映時間:103分
総監督: 山崎貴さん
監督:八木竜一さん、花房真さん
 
 
 
ドラゴンクエストはほとんどやってないし、まったく思い入れがないのでスルー予定の映画だったんだけど、まさかのなんだか炎上してるというか、大論争を巻き起こしてて、これはドラクエには興味ないけど観とこうということで、観てきましたが、シンプルにつまらない映画でした。
 
 
お話の要素だけを取れば、おもしろくなりそうなんですよね。親子三代に渡る復讐の物語だし、王道の騎士流離譚でもあるし、お話のもっていきようによってはアツイ話になりそうだと思うんですよね。しかし話のかいつまみ方がどうも中々乗り切れないかいつまみ方しててですね。少なくともドラクエ弱者である僕から見ると、ゲーム画面で飛ばした前提設定みたいな序盤の部分は飛ばさずにちゃんと描かないと物語の盛り上がりを作り出すうえでちょっと盛り上がりに欠けるというかカタルシスに欠ける作劇だったように思います。知ってる前提で済ませてるであろう部分、俺知らないしなぁ…。主人公がフローラを捨てて、幼馴染をとるという突飛な展開も、映画だけを見ると幼馴染である描写はすっ飛ばされてるので、すげぇ突飛な展開に見えざるを得ないし、この選択すげぇ最低だし、クソ男じゃないですか…。結構このシーンでいろいろと幻滅しました。というかゲームをやってない人間からすると、前半に人物の積み重ねがない本作でビアンカをビアンカを取るというほうに説得力を持たせるのには無理があるし、なんでフローラを捨てたの??と素直に疑問だったりしました。つまるところ積み重ねがないんですよねぇこの映画は。まぁゲームやってない方が悪いんでしょうけど。
 
 
あとあの有名な音楽、使うのそこなの??ってところに、しかも乱発しててすごいもったいなかったです。ためてためて「クリード」の1作目ばりにここぞというときにあのテーマソングをかければまぁなんだかんだ良い映画観たなという気にちょっとはなったかもしれませんが。音楽とキャラクターの心情や演出などがピタッとマッチする気持ちのいいカタルシスがまったくない映画だったので、見てて平板な映画だなぁという感じ。後半のしかけうんぬんよりももっと活劇としてやるべきことがあったはずだし、そこをちゃんとやらずに最後のあのオチに行くなんてのはちょっと乱暴な一点突破だったんじゃないかなぁと思います。
 
で、最後のオチは結局このドラクエの世界は主人公のもとになる人間がやってるVRアクションゲームでしたというオチ。ラスボスはウイルスソフトでした~という感じで、ゲームなんていう虚の空間にドはまりする人間に軽く説教をくらわせつつも、虚の空間だけどそこにある心は実なのだといわんばかりにゲーム空間をがんばって守り切り終わるという…まぁ簡単に言うと構造としては失敗した「レゴ・ムービー」という感じでした。まぁさっきも書いたけど積み重ねが足りないので乱暴な展開という風にしか見えない…やりたいことはわかるけど、それをやるなら最初の最初からもっともっと脚本を練りこまなきゃダメなんじゃないかなぁと思いました。こんなことならシンプルにカタルシスたっぷりにラスボスを倒すという方がまだましだったのでは…。
 
ま、てなわけでおもしろいところが見つけられませんでした。あんまり元のゲームをやってみよう!という気にもならなかったのが一番残念かな…。