新聞記者
テレビっぽかった
上映時間: 113分
監督: 藤井道人
出演: シム・ウンギョンさん、松坂桃李さん、他
話題になってた「新聞記者」を観てきました。この日は「新聞記者」を観て、「よこがお」「僕はイエス様が嫌い」と、この3本をこの順番で観ました。絶賛評が多い中アレですが、あんまりおもしろくなかったです(涙)
この日、「新聞記者」の後に観た2本が、予算が少ないながらも映画的な気持ちの良さに満ちた日本映画でしたが、一番最初に観たこの「新聞記者」は真逆で、演出や撮影と編集がすごくテレビっぽくて、画面見ててまったくワクワクしなかったです。正直退屈でした。
実際に起きた現政権にとっては都合の悪いテーマを虚実を曖昧にしつつも盛り込んでいくということ自体のチャレンジングさは買いますが、やっぱテーマがチャレンジングなだけでは映画はおもしろくならないとつくづく感じました。
やたら無駄に手持ちが多用される序盤の新聞社シーンから、演出意図と実際に画面で起きてることがチグハグでどうも不安定な画面と演出が目立ちましたし、手持ち感も下手でまったく緊迫感やリアリティが出ていませんし、まずその時点で何も起きてないのでよくわからない演出でした。
その後も、悪の組織!画面暗く!というような、政府機関ってまったく蛍光灯つけないのだろうか?と思う画面作り、しゃべりすぎる演出、バストショットの切り返しだらけ、ミステリーとしてぜんぜん盛り上がらない羊をめぐる謎解き、反復の気持ちよさがなくとにかく平坦でただ話を追うだけ、じゃお話が面白いのかと言われればそうでもないという感じでした。
作り手の「これはやらなければならないんだ!」という熱量はとてもわかるし、実際この映画がやろうとしてることの姿勢は、今の邦画群にはないタイプの熱があると思いますし、なかなか邦画にはなかったから、こういう映画がどんどん増えていくと面白いだろうなぁとは思います。
まぁでも「新聞記者」っていう題名だしね、どうしても「スポットライト」とか「ペンタゴンペーパーズ」とかと比べてしまうんですが、まぁ正直足元にも及ばない演出の力量の差が、より浮き彫りになっちゃったかなぁ。気の抜けたダサいカットがあまりにも多すぎる、やっぱどこまでもテレビっぽいという一言に尽きる映画でした。画面を見る気持ちの良さがない映画はやっぱりキツい。やろうとしてることの熱意は買いますが、僕は残念な映画でした。