※ネタバレあり
トイ・ストーリー4
ピクサーが開けた禁断の扉の先は…
上映時間:100分
監督:ジョシュ・クーリーさん
出演:おもちゃのみなさん
史上稀に見るクオリティで見事にシリーズを締めくくった「トイ・ストーリー3」でしたが、そこからのまさかの続編。「おもちゃ」の物語としてこれ以上の締めくくりはあるのだろうか?と誰もが思っていたと思いますし、僕も思っていたし、こっから続編って大丈夫なの?と思っておりましたので、どんな作品になってるのか、期待半分不安半分で4を観てきました。そういう話になるか〜、いやそうかそうだよね、そういう話にするしかないよね、という映画でした。正直にいうとまだ好きか嫌いか判断がつかない…という感じの感想です。
まず思ったことは、ここまでくるとトイストーリーの行き着く先は「猿の惑星」のリブートシリーズになるしかないんじゃないかということです。
ここまでおもちゃのアイデンティティを突き詰めると、「じゃなぜ俺たちおもちゃは人間に奉仕してるのか…」と疑問を持ってくるおもちゃも出てきて当然ですよね。もしもこの先を続けるのならば、おもちゃの革命を描かざるを得ないのでは。ピクサーは今まで言わない約束だった問答を描いたことで、禁断の扉を開けちゃったような気がするんですよね。
実際、今まで丁寧に保ってきたはずだったおもちゃの世界観と人間界の世界観の壁を(特に後半の車のブレーキうんぬんのところで)割と大胆に壊してくるんですよね。あとあのモフモフ2人組の新キャラが繰り広げる妄想描写とかさ、これまでだったらありえない描写ですよね。なんか今回踏み込んだ諸々を考えると「おもちゃ解放革命!」みたいな方向に行く要素揃いまくりだし、もうすぐそこにまできてるよねこれ。
となると、シーザーがウッディになって、人間界とおもちゃ界とで板挟みに…そしてついにはおもちゃがおもちゃを殺すという禁断の行いをっっ!!!みたいなボンクラ脳が働いてしまいますな。
それか、もうジュラシックワールド方向ですよね。人間とおもちゃが共生する世界!うーん、今のディズニーならやりかねないな。
って、今回の映画の話をなにもしてませんが。個人的には、トイストーリーの超えて欲しくない一線を超えられちゃったなぁと、遠い目でこの映画を観てました。描きたいことはわかるし、たしかに今のディズニーの流れを考えると「そうではない幸せ」を描く今回の流れはとても理解できます。でも今回の違和感って、結局はあまりにその決断が人間の論理のように感じるということだったりして、今回初めてウッディが自分で動いてるのではなく、何者かに動かされてる感覚があったんですよね。それこそ、「正しさ」という手でウッディが動かされてる、おもちゃにされてる感じというか。「おもちゃに人権はないのか!」と怒られそうですが、僕はトイストーリー4あんまり好きくない感じでした。みんなどうなんだろ?いろんな人の意見を聞きたい。
突き詰めすぎない、粋さ。って、あると思うんだよな。でも今回の結末にこんなこと言うとすげぇ怒られるんだろうなぁ。という、有無を言わせない感が最近のディズニーにはあって、正直意見したくないってのが本音だったりなかったり。。