町田くんの世界/「青春やべぇな」 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 

 

町田くんの世界

 

「青春やべぇな」

上映時間: 120分

監督: 石井裕也さん

出演: 細田佳央太さん、関水渚さん、他

 

 

原作も好きで、監督も好き、という本作だったのでけっこう楽しみにしていた「町田くんの世界」を観てきました。想像以上に素晴らしかったです。そして前田敦子がすごかった…!

 

 

原作は好きですが、原作のコピーなんて見たくない派なので、どうアレンジしてくるかを楽しみにしてましたが、そこはさすが石井監督。原作をなぞりつつも、しっかりと「わぁ、映画だ!」という素晴らしい撮影と的確な演出で漫画を映画に進化させていました。


監督が惚れ込んでるんだろうなぁ〜ということがとてもわかる主演の2人はほんとに輝いてました。引きの画とクローズアップのメリハリがとても良くてね、キーとなる川辺の原っぱで繰り広げられる2人きりのシーンの数々はほんとにど直球ティーン恋愛映画的要素とそれを超えてくるなにかものすごく尊いものを愛でているような、監督の温かな見守る視線みたいなものを感じ取れてすごい印象的でした。


ちょっと説教くさいかなぁというのは少しだけ感じつつも、監督のそれこそ直球の現代の世界の見方、絶望の中の希望みたいなものは、あまりの直球がほんとに気持ちのいいほど直球で、ブレがなくて、劇中の池松くんばりにハッとさせられる光みたいなものを、原作に負けないくらい感じ取れて、その照れのなさがとても僕は好印象でした。



あとこれだけは言っておきたい。前田敦子が素晴らしかった!!女子高生はムリあるんじゃね?と見る前は思っていましたが、そこも込みでほんとにバシッとハマってて、この映画の一番の魅力は前田敦子である!といっても過言ではないくらいの圧倒的な魅力を放っていました。前田敦子は最高の女優である、と改めて感じました。


そもそも、この映画は前田敦子がいないと成立しないのでは?と思うほど、裏のストーリーテラーとして、このポジションに前田敦子がいるということの安心感はとてもありました。この一見漫画的な特異なキャラクターと世界観、これと観客をつなぐ橋渡し的役割なんですよね。実質前田敦子が物語を引っ張って行く、この映画の輪郭を描いていくキャラクターであり、役割なので、実はものすごく重要な役割なキャラクターが彼女なんですが、それをほんとサラッと演じきっててまじで前田敦子ハンパねぇと思いました。


前田敦子の「青春やべぇな」という言葉通り、まさに「やべぇな」と物語のリアリティが一歩向こう側に飛躍するラスト、こういうリアリティの超えかたをする映画は大好きだし、ファンタジックになるロジックもちゃんと描かれてて、まさにこのクライマックスが「町田くんの思い描くラスト」ともとれて、まさにちゃんと「町田くんの世界」になってる。素晴らしい青春映画を見たなぁと思いましたし、すごく気持ちのいい映画でした。青春やべぇな!そして前田敦子やべぇな!