ルイスと不思議の時計
デス・ウィッシュよりルイス派
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上映時間:105分
あらすじ:叔父が魔術師
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意外や意外、まさかのイーライ・ロス監督作ということで観てきました。
想像以上に良かったです!!
映画.comのあらすじです。
1973年に発表されたジョン・ベレアーズのファンタジー小説「壁のなかの時計」を映画化。両親を亡くした少年ルイスは、叔父ジョナサンの古い屋敷で暮らすことになるが、実は叔父のジョナサンは、二流のポンコツだが不思議な力を使える魔法使いだった。不思議な時計がいっぱいの屋敷で新生活を始めたルイスは、屋敷の中に世界を破滅に導く時計が隠されていることが知り、ジョナサンとともに謎を解いて世界を救うため奮闘する。魔法使いジョナサンを「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」などで活躍する個性派ジャック・ブラックが演じ、隣家に暮らす一流魔女のツィマーマン役で、オスカー女優のケイト・ブランシェットが共演。監督は、これまでホラーやサスペンスといったジャンルで活躍してきたイーライ・ロス。
「ルイスと不思議の時計」というこのタイトルとポスターや予告のビジュアル、うんもう何万回もみたパターンの子供向けファンタジーだな、うんうん。と、思っていたら、えっ?監督がイーライ・ロス?という超意外な人選で、さてこれはどんなものになってるのかなぁと観てきたんですが、いやぁ僕はとても楽しかったです。なんなら同じイーライ・ロス作品で日本では同時期公開の「デス・ウィッシュ」よりも僕はこっち派です( ̄▽ ̄)
この手のファンタジー映画ってあんまり最近観てないんですが、この映画、すごくファンタジーもの魔法ものとして正攻法で真摯な作りだと思いました。現実の悩みや葛藤、トラウマなんかが、この映画における魔法というものとすごく密接に繋がりあってる感じというか、心がイコールで魔法に直結してる感じがすごく好きでした。「IT」における「恐怖」と距離感は似てると思うんですよね。現実世界の心の解放が、魔法の解放に直結する感じ。この距離感こそ好きなファンタジーなんだよなぁと思いました。事件が起きるきっかけも、友達に嫌われたくない、とか、死んだ両親に会いたい、とか、とても切実なもので、僕はとてもグッときました。
その点感動的なのはケイト・ブランシェットで。ほんとにこの映画のケイト・ブランシェットはここ最近では最高のケイト・ブランシェットですよね。彼女の魔法の解放シーンは、彼女の背負ってきた心の傷を乗り越えることで真に解放されるわけで、とても感動的でした。ここのトラウマの作り方も見事で、第二次大戦・ホロコーストがかなり濃厚に存在してて、その辺の組み込み方も素晴らしい。ケイト・ブランシェットとジャック・ブラックの軽口の叩き合いも最高の多幸感で、ずっと見ていたいと思えるなんとも言えないしあわせな空気が流れてて良かったです。この3人が最終的に疑似家族的な感じになっていくわけだけど、非常に納得度の高い、キャラクターたちの相性の良さでした。
ファンタジーの皮をかぶせてるだけで、実はすごく悪趣味なシーンを炸裂させてたり、明らかにイーライ・ロスの趣味だろ!っていうクラシックホラー、モンスタホラーオマージュも散りばめられてとても楽しかったです。なんかレビューサイトなどではとても評価が悪いですが、僕はとても絶妙なバランスで、しかししっかり攻めた、それでいて正攻法で真摯なファンタジー映画になっていたと思います。僕は予想を超えてかなり好きでした。
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好き度:80点
想像以上に良かったです!
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