バトル・オブ・ザ・セクシーズ
エマ・ストーンとスティーヴ・カレルの芸達者っぷりを堪能
---------------------
上映時間:122分
あらすじ:テニスで男女対決
----------------------
公開からだいぶたってますが、遅れてこちらで公開されたので観てきました。
とてもいい映画でした!
映画.comのあらすじはこんな感じ。
「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンが実在のテニスの女王を演じ、1970年代に全世界がその行方を見守った世紀のテニスマッチ「Battle of the Sexes(性差を超えた戦い)」を映画化。73年、女子テニスの世界チャンピオンであるビリー・ジーン・キングは、女子の優勝賞金が男子の8分の1であるなど男女格差の激しいテニス界の現状に異議を唱え、仲間とともにテニス協会を脱退して「女子テニス協会」を立ち上げる。そんな彼女に、元男子世界チャンピオンのボビー・リッグスが男性優位主義の代表として挑戦状を叩きつける。ギャンブル癖のせいで妻から別れを告げられたボビーは、この試合に人生の一発逆転をかけていた。一度は挑戦を拒否したビリー・ジーンだったが、ある理由から試合に臨むことを決意する。ビリー・ジーン役をストーン、ボビー役を「フォックスキャッチャー」のスティーブ・カレルが演じた。監督は「リトル・ミス・サンシャイン」のジョナサン・デイトン&バレリー・ファリス。「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイルが製作、サイモン・ビューフォイが脚本
まずこんな歴史的試合があったなんてことをこの映画を観るまで知らなかったのでとてもビックリしました。
エマ・ストーンとスティーヴ・カレルはほんとに素晴らしかったです。切ない!
エマ・ストーンシークエンスはとにかくエロくて、彼女に出会うヘアカットシーンをセックスシーンのような色気で撮る演出とかも素晴らしかったし、実際にセックスするシーンや、また私と夫と彼女が鉢合わせという修羅場まで、見どころたっぷりでした。鉢合わせするところとか、全員がどうにもならない切ない思いを抱えて散っていくあそこはほんとに名シーンだと思いました。わかりつつもそれでも妻を支える夫にもグッときました。
スティーヴ・カレルのシークエンスもなんとも切なくて、最低なんだけど、憎めない。あえてアウトなことを言いまくるパフォーマンスで、注目を集める元スターというこの構図だけでなんだか切ない。スターだった彼が、それでも注目を集める立ち位置に居続けたいというなんとも痛々しくも切実な願望、その結果どう着地したかというラストの彼の表情とか、とにかくスティーヴ・カレルすげぇと言わざるを得ない演技に圧倒されました。ラストの2人のそれぞれの表情こと、この映画の真髄だったなぁと思います。
スティーヴ・カレルの許されない女性蔑視発言はたしかに許されないんだけど、それはパフォーマンスなわけで、一番怖いのはその発言や言動に乗っかって本当の意味で男性至上主義的マウントを取る周りの人々、これがすごく怖かったです。こういう道化的な人間の登場で、簡単に人間の差別意識みたいなものは表に出てくるんだなぁと、これはすごく普遍性のある怖い現象だなぁと思いました。
そんな中でいろんなものを背負って戦うエマ・ストーンはかっこよかったし、最後に持って行ったのはアラン・カミング!!アラン・カミングの最良の使い方に痺れました。
-----------------
好き度: 80点
素晴らしかったです
-----------------