ペンギン・ハイウェイ
夏!おっぱい!ペンギン!思い出!(スチャダラ風)
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監督: 石田祐康さん
脚本: 上田誠さん
出演: 北香那さん、蒼井優さん、他
上映時間: 119分
あらすじ: ある日街にペンギンが出現します
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アニメに疎いので僕はまったく知らなかったんですが、アニメ好きの友達はこの布陣でこの題材は必見だよ!と騒いでいたので、観てみました。
すごくおもしろかったです!
映画.comのあらすじはこんな感じ。
「夜は短し歩けよ乙女」「有頂天家族」などで人気の作家・森見登美彦による日本SF大賞を受賞した小説をアニメーション映画化。短編「陽なたのアオシグレ」「台風のノルダ」を手がけたスタジオコロリドの第1回長編作品となり、「陽なたのアオシグレ」の新鋭・石田祐康が監督、「台風のノルダ」の新井陽次郎がキャラクターデザインを担当する。毎日学んだことをノートに記録している勉強家の小学4年生アオヤマ君は、通っている歯医者のお姉さんと仲良し。お姉さんも、ちょっと生意気で大人びたアオヤマ君をかわいがっていた。ある日、彼らの暮らす街に突然ペンギンが現れる。海もないただの住宅地になぜペンギンが現れたのか。アオヤマ君は謎を解くべく研究を始めるが、そんな折、お姉さんが投げ捨てたコーラの缶がペンギンに変身するところを目撃する。テレビドラマ「バイプレイヤーズ」などで知られる北香那が、声優初挑戦でアオヤマ君を演じ、「鉄コン筋クリート」「花とアリス殺人事件」などで声優経験のある蒼井優がお姉さん役を務める。
知的好奇心ってほんとに尊いものだなあとこの映画を観て改めて思いましたよね。「なぜだろう?」という素朴な疑問を、僕らは大人になるにつれて忘れていくというか、疑問に思うことを「まぁこういうものなのだろう」という思考停止に当てはめて、そんなことは置いといて目の前の仕事や日々の生活に必死になって。そんなこんなでこの映画は、「なぜだろう?」を必死になって追い求めたあの頃のときめきとワクワクを思い起こさせてくれる、そして振り返って肯定してくれるとてもいい映画でした。
しかもその「なぜだろう?」を追い求めることで、この世界の仕組みと、生と死と、そして性を知り、ひとつ階段を上り少年が成長するという、ひと夏の成長ものとしてもとても素晴らしかったですね。
突然町に現れたペンギンと、気になる巨乳のお姉さんと、森の奥の巨大な球と、仲間たちと、夏休み。一見バラバラな要素に見えたものが奇跡的にきれいに物語に混ざり合い、はじめは思いもしなかったこの世界の仕組み的な大きな物語に行きつき、そしてその大きな物語を、少年の少し成長した背中で終えるという小さな物語で着地させる、製作陣の見事すぎる手腕に感動しました。今年もたくさんアニメーション映画はありましたが、トップレベルにいろんな意味でワクワクしました。
この映画で描かれる様々な循環の描写、そして行き着く海に、生命というものを大肯定してやろうという、生命というものに対する製作側の圧倒的陽のパワーがとても心地よかった。だからこそ、おっぱいなんですよね。母なるものの象徴であるおっぱい、そしてお姉さんが命の循環の軸に座っていること、そしてそこに触れ「性」と「生」に目覚めていくというのもうまいなぁと思いました。おっぱいをここまでストーリーテリング上必要不可欠な要素としてうまく描いた映画も久々だなぁと思いました。得たいのしれない、でも確かに存在した大きな謎に、そしてお姉さんに、再会を誓い、彼の知的好奇心はますます膨らんでいく。これ以上の生というものの肯定はあるだろうか…と思いましたよ。すごく楽しかったです!
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好き度: 80点
素晴らしかったです
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