ビューティフル・デイ
カッコいいけど、跳ねない
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監督: リン・ラムジーさん
脚本: リン・ラムジーさん
出演: ホアキン・フェニックスさん、ジュディス・ロバーツさん、エカテリーナ・サムソノフさん、他
原題: You Were Never Really Here
上映時間: 90分
あらすじ: 少女を助けに行きます
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この映画の予告がとてもかっこよくてですね。
楽しみにしていたらこちらでも遅れて公開されたので、観てきました。
ホアキン・フェニックスがとてもよかったです!
映画.comのあらすじはこんな感じ。
「ザ・マスター」「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」などの実力派俳優ホアキン・フェニックスと「少年は残酷な弓を射る」のリン・ラムジー監督がタッグを組み、第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞をダブル受賞したクライムスリラー。トラウマを抱え、暴力を恐れない元軍人のジョー。年老いた母と暮らす彼は、行方不明の少女たちを捜し出す報酬で生計を立てていた。そんな彼のもとに、政治家の娘ニーナを捜してほしいとの依頼が舞い込む。しかし見つけ出したニーナは、怯える様子もなく人形のように感情を失っていた。やがてニーナはジョーの目の前で再びさらわれてしまい……。ラムジー監督の前作「少年は残酷な弓を射る」も担当した「レディオヘッド」のジョニー・グリーンウッドが、今作でも引き続き音楽を手がけた。
撮影と音楽がとても良くて引き込まれたんですが、どちらもどこかニコラス・ウィンディング・レフン感を感じたというか、音楽なんかはとても「ドライヴ」味を感じました。影響受けてるのかなぁ。
この映画、カンヌで男優賞を取っただけあって、やっぱりホアキン・フェニックスのたたずまいは素晴らしかったです。元軍人で現役のときは筋肉隆々だったんだろうなぁでも今は脂肪が増えてきてるんだろうなぁというガタイの良さと寂れ感がとても良かったですし、その体で仕事終わりのお母さんの介護描写とか、とても悲哀マックスで最高でしたね…。
あと良かったのは半殺しにした敵が死に向かって弱っている横に一緒に寝転んで歌を歌うシーンでね…。敵もこっちも、巨大な存在に使いっぱしられる人間同士の悲哀があって、不思議な魅力があったなあ。あと武器がハンマーというのも良かったです。あと、監視カメラを使ったアクションはいろいろあるけど、今回のそれは舞台立ての魅力がさらに上がってる感じがしてとてもよかったんじゃないでしょうか。
だけど、お話と演出にイマイチ乗れなくて、さすがに主人公の過去のトラウマとか、彼の自殺願望とか、彼の抱えてるものをもろもろ、勿体ぶりすぎというか、アートな感じで見せるのはいいんだけど、だからといっておもしろくはなってない感じが残念でした。勿体ぶってたら、勿体ぶったまま終わった感じがして。
あと、イマイチ、カタルシス不足な感じと、バイオレンス描写はもっと凄まじくかつ美しいバイオレンスが観たかったなぁなんておもいました。映像はすごくカッコいいんだけど、カッコいいだけで映画として跳ねるシーンがなくて…。まぁでも最後の少女とのファミレスでのシーンがとてもよくて、全体的にはまぁいい映画だったかなぁなんて思えましたが、もっといろいろやってほしかったです。
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好き度: 60点
ホアキン・フェニックスはとても良かった(´Д`)
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