君の名前で僕を呼んで
「好き」を持て余しまくったあの夏
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監督: ルカ・グァダニーノさん
脚本: ジェームズ・アイヴォリーさん
出演: アーミー・ハマーさん、ティモシー・シャメラさん、他
原題: Call Me by Your Name
上映時間: 132分
あらすじ: 17歳、忘れられない夏。
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アカデミー賞でジェームズ・アイヴォリーが脚色賞を受賞した「君の名前で僕を呼んで」を観てきました。深夜の回だったこともあり今年4回目の映画館貸切状態での鑑賞。地方はいつもこうなんやで…。てなわけで、「君の名前で僕を呼んで」ですが、これが、
とてもいい映画でした(´Д`)
映画.comのあらすじはこんな感じ。
1980年代のイタリアを舞台に、17歳と24歳の青年が織りなすひと夏の情熱的な恋の行方を、美しい風景とともに描いたラブストーリー。アンドレ・アシマンの同名小説を原作に「日の名残り」「眺めのいい部屋」の名匠ジェームズ・アイボリーが脚本を執筆、「胸騒ぎのシチリア」などで知られるルカ・グァダニーノ監督がメガホンをとった。第90回アカデミー賞で作品賞ほか4部門にノミネートされ、アイボリーが脚色賞を受賞した。「インターステラー」「レディ・バード」のティモシー・シャラメットと「コードネーム U.N.C.L.E.」「ソーシャル・ネットワーク」のアーミー・ハマーが主人公カップル役で共演。83年、夏。家族に連れられて北イタリアの避暑地にやって来た17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会う。一緒に泳いだり、自転車で街を散策したり、本を読んだり音楽を聴いたりして過ごすうちに、エリオはオリヴァーに特別な思いを抱くようになっていく。ふたりはやがて激しい恋に落ちるが、夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づいてきて……。
この映画が撮影賞じゃないの?というくらいとにかく撮影がいちいち素晴らしくて画面の隅々までものすごく美しいのがまずとても素晴らしかったです。光と陰の使い方、コントラストがとても印象的。どこかの世ではないような美しさがあって、物語のテーマともすごくマッチしていました。全場面が美しい。
この映画、ものすごく普遍的な青春の初恋からの失恋というか、ティーンの通過儀礼的恋愛映画としてとても良かったです。誰かを好きになり、もう好きで好きでたまらなくなる、この胸のざわざわをどう処理していいのかわからないくらい気持ちを持て余しまくるティモシー・シャメラくんの演技がほんとに素晴らしくて、もうねめちゃくちゃ可愛いんですよ。好きが先行しまくる痛々しさもありつつ、その実直な恋が、すげぇ尊く見えて、決してハッピーに永遠の恋になるわけではないんだけど、でもこの夏の一瞬は永遠というか、確実に忘れられない夏になったんだろうなぁと、その刹那感、切り取り方がとにかく良かった。もはや抽象空間に見えるくらい撮影が美しいのも、普遍的な恋愛映画たらしめるのに一躍かってるようにも思います。
この胸のざわざわをどうすればええんや〜〜というティモシー・シャメラくんの奇行の数々もおもしろかったです。なんといっても桃でしょう。まさかの桃をオナホールにするというあの直喩的発想!フェラされてバレるという展開も秀逸でしたが、その後のリアクションがよくて。泣いちゃうんですよね。身もふたもなく、まだ彼よりも子供であるというのが出ててすごく良かったです。
余談ですが、さすがに桃をオナホールにしたあとはすぐチンコ洗わないと痒くなるよ…と思いながら見ていたよティモシーくん。笑
あと、なにが良かったって、親ですね。ここ最近の映画に登場する親の中でも、ベストオブ親でしょう。ラストシーンの父との会話の素晴らしさ。ここは間違いなくこの映画のベストシーンでしょうね。その後に「ぼくの名前はズッキーニ」を見たというのもあって、ここまで子供を思ってここまで子供の気持ちを尊重し受容してくれる親、ほんとに素晴らしいし、自分自身の体験を包み隠さず語りかける姿にもすごく感動しました。母親も良かったなぁ、多くを語らず、察してそっと寄り添う。母親の目線の動きが随所に効いてるのも見どころ。やっぱりここぞというとこに息子が頼るのは母親なんだなぁという、最後の迎えに行くシーンとかも良かったなぁ。父と母のバランス感覚も良くて、またひとつ目標とする親像ができたなぁという、親映画でもあった、「君の名前で僕を呼んで」でした。
あと、やっぱラストシーン!痛い!苦い!キツイ!でも、この涙が、彼のこれからの人生、恋愛の始まりでもありますように、と、祈りながら超キツイ長回しを見てました。あのままエンドクレジットに入るセンスもかっこよすぎ!
てなわけで、素晴らしい映画でしたよ!ぜひ!
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好き度: 80点
とても良かったです(・∀・)
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