ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書
「スピルバーグは最高だ」という結論に達さざるを得ない
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監督: スティーヴン・スピルバーグさん
脚本: リズ・ハンナさん、ジョシュ・シンガーさん
出演: トム・ハンクスさん、メリル・ストリープさん、他
原題: The Post
上映時間: 116分
あらすじ: 政府 vs 新聞社
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スピルバーグの新作を観るのは全生物の義務なので「ペンタゴン・ペーパーズ」を観てきました。今年は「レディ・プレイヤー・ワン」もあるし、1年にスピルバーグ映画が2本も観れるなんて最高ですね!というわけで、「ペンタゴン・ペーパーズ」ですが、
超素晴らしかったです(`・ω・´)!!
映画.comのあらすじはこんな感じ。
巨匠スティーブン・スピルバーグ監督のもとで、メリル・ストリープとトム・ハンクスという2大オスカー俳優が初共演を果たした社会派ドラマ。ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国民の間に疑問や反戦の気運が高まっていた1971年、政府がひた隠す真実を明らかにすべく奔走した人物たちの姿を描いた。リチャード・ニクソン大統領政権下の71年、ベトナム戦争を分析・記録した国防省の最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在をニューヨーク・タイムズがスクープし、政府の欺瞞が明らかにされる。ライバル紙でもあるワシントン・ポスト紙は、亡き夫に代わり発行人・社主に就任していた女性キャサリン・グラハムのもと、編集主幹のベン・ブラッドリーらが文書の入手に奔走。なんとか文書を手に入れることに成功するが、ニクソン政権は記事を書いたニューヨーク・タイムズの差し止めを要求。新たに記事を掲載すれば、ワシントン・ポストも同じ目にあうことが危惧された。記事の掲載を巡り会社の経営陣とブラッドリーら記者たちの意見は対立し、キャサリンは経営か報道の自由かの間で難しい判断を迫られる。第90回アカデミー賞で作品賞と主演女優賞にノミネートされた。
うむむこれがやはりというべきか圧倒的におもしろかったし、ものすごく感動しました。タイムリーな社会性と娯楽映画としてのエンタメ性の絶妙なバランス感覚がほんとに素晴らしいですよね。最近の日本での公文書改竄問題とかにも重なるし、悲しいかな図らずも日本でも非常にタイムリーな内容になりましたね。
トム・ハンクス、メリル・ストリープという大御所2人の演技合戦にはほんとに目を奪われるわけですが、個人的にこの映画のメリル・ストリープにはものすごーく感情移入しました。まぁ規模は違えど、僕も家族経営の中小企業の若頭なのでね…突然経営者が死んで、今までに想像もしてなかった重荷がかせられるその苦悩がほんとに伝わってきたし、そりゃいきなりトップにたつわけだからさ、周りにバカにされたり、信頼されてなかったりするわけだけども、それでも決して挫けず、腐らず、仕事をまっとうしてて。もうあのメリル・ストリープの周りを取り繕うかのような絶妙なニュアンスを含んだ笑顔を見てるだけでものすごくグッときました。個人的な理由ではありますが、猛烈に応援の気持ちが湧き上がってきました。
それも最終的にさ、自分や会社の保身に走らず、汗水垂らし不眠不休で働く現場を信じて、真実を伝えることに命をかける決断をするクライマックスはすげぇ感動したし、なにより、ひとりの人間が命がけで持ち出した文書を記事にして、それをまたリレーのバトンのように繋いでいく、そしてそれが遂に新聞になるという「新聞を作ること」そのものにものすごく感動しましたし、そこに余りある敬意が込められてる感じもアホほど泣けました。またこの新聞を作る機械のスペクタクル感というのかな、ここまで映画的な印刷シーンは見たことねぇよという撮影をしてて素晴らしかったです。
そしてなんといっても、ラストカットが素晴らしい!わーここからウォーターゲートに繋げるのか!というさ、あそこの撮影と音楽と切れ味含めて、なんといい映画を見たのだろうという最高の後味まで残るという、極上の映画体験でした。
あそこの撮影がいいとか、カメラの計算され尽くした導線とか、役者陣が脇にいたるまでみんな最高とか、言い出したからキリがありませんが、やっぱりスピルバーグは最高だ!という結論に達さざるを得ません。素晴らしかったです。
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好き度: 90点
素晴らしすぎました…。
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