【映画感想】「素敵なダイナマイトスキャンダル」 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

素敵なダイナマイトスキャンダル

 

ワンクリックでおっぱい見れる時代

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監督: 冨永昌敬さん

脚本: 冨永昌敬さん

出演: 柄本佑さん、前田敦子さん、三浦透子さん、尾野真千子さん、他

上映時間: 138分

あらすじ: エロ本づくりと母の爆発と

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冨永監督の新作、「素敵なダイナマイトスキャンダル」が、こちらでも遅れてようやく公開されたので観てきました。

 

おもしろかったです!(・∀・)

 

映画.comの感想はこんな感じ。

実母がダイナマイト心中を図ったという強烈な体験を持つ雑誌編集者・末井昭の自伝的エッセイを柄本佑主演、「パビリオン山椒魚」「南瓜とマヨネーズ」の冨永昌敬監督によるメガホンで映画化。母・富子が隣家の息子とダイナマイトで心中した末井青年。18歳で田舎を飛び出し、昼は工場勤務、夜はデザイン学校という生活から、看板会社への就職、そしてエロ雑誌の世界へと足を踏み入れる。表紙デザイン、レイアウト、取材、撮影、漫画と、あらゆる業務をこなしながら、編集長として「立て!男のエキサイト・マガジン」をキャッチフレーズに雑誌「NEW SELF」を創刊。カメラマンの荒木ら精鋭たちがメンバーとして集い、雑誌は軌道に乗るが、わいせつ文書販売容疑で発禁となってしまう。柄本が主人公の末井役を、尾野真千子が母・富子役を演じるほか、前田敦子、三浦透子、峯田和伸、松重豊、村上淳らが出演。

 

 

田舎の炭鉱町というザ・村社会で結核の母親が隣の家の若者と不倫の末、2人でダイナマイト心中するという回想パートと、ダイナマイト心中した母親を持つ末井さん(演:柄本祐さん)が東京でエロ本を作っていく現在パートが行ったり来たりする作りの本作。まず回想パートがとても良かったですね。撮影からロケーションからジャパニーズオカルトホラー感が満載でとても怖い怖い雰囲気に満ちていて引き込まれました。やっぱり昔の日本の村ってめっちゃ怖いね。その村のロケーションが絶妙だったし、尾野真千子さんの着物のはだけ方とシズル感がすげぇエロくて怖くて、とても良かったなぁ。ここが良く撮れてるからこそ、現代パートがより対照的に映えるんですよね。とても良い構成だったと思います。

 

 

現代パートはエロ本版グッドフェローズというか、ボンクラ版グッドフェローズな雰囲気でこちらもとても楽しかったです。もうちょっとテンポよくリズミカルに編集しても良かったんじゃないかなぁと思ったりもしたけど、日本のエロ本の歴史というか繁栄と衰退を見届けた感があって見てておもしろかったし勉強になりました。なんせ僕みたいな平成生まれの人間は、ワンクリックでおっぱいやセックスをネットで漁れたというエロ収集に対して努力してない世代なので(笑) ああ~こうやってエロ本作ってこうやって受け入れられてたんだ~と新鮮でした。そうそう、僕ら世代って、まじでいわゆるエロ本ってものにまったく愛着がないし、まずエロ本を買ったことがないんですよ。ネットがあるのに未だにコンビニにエロ本が並んでる理由がよくわからないんですよね(笑)………みたいな話をするとよく会社の上司に「だから今どきの若者は…!」と、たびたび飲み会で盛り上がっております(笑) そして、そんな僕らみたいなネット世代の誕生が、この映画に出てくるエロ本業界の衰退に一役買ってることはまちがいないわけで、そう考えるととても切ない気持ちにもなりました。

 

とにかく役者陣が良くて、妻役の前田敦子さんは最高だったし、三浦透子さんほんとに最高!あと一番良かったのはまさかの菊池成孔さんでした(笑)あのエロカメラマン(笑) TBSラジオリスナーなので、「あれ?なんか聴いたことある声がするなぁ」と思ってたらやっぱり菊池成孔さんでした。あの絶妙なうさんくささ、最高です。菊池さんはこの映画の劇盤もやってるみたいで、その劇盤もとても素晴らしかったです。

 

と、まぁ僕ら世代にとってはとても新鮮なエロ本文化が観れて、とても楽しかったです。どうだおじさんたち!これが平成生まれだ!

 

という平成生まれから見た「素敵なダイナマイトスキャンダル」でした。でも、この世界観、なんだかとてもうらやましあったなぁ〜〜

 

 

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好き度: 70点

楽しみました(・∀・)

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