【映画感想】「さよならの朝に約束の花をかざろう」 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 

さよならの朝に約束の花をかざろう

 

そして母になる

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監督: 岡田磨里さん

脚本: 岡田磨里さん

出演: 石見舞菜香さん、入野自由さん、茅野愛衣さん、他

上映時間: 115分

あらすじ: 年を取らない人がママになります

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 「あの花」「ここさけ」の脚本家、岡田麿里さんの初監督作品になる本作。観てきました。


いい映画でした!


例によって映画.comさんからあらすじを拝借すると、

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」などで知られる脚本家の岡田麿里が初監督を務めたオリジナルの長編アニメーション映画。10代半ばで外見の成長が止まり、数百年生き続けることから「別れの一族」と呼ばれるイオルフの民の少女マキアと、歳月を重ねて大人へと成長していく孤独な少年エリアルの絆の物語が描かれる。人里離れた土地で、ヒビオルと呼ばれる布を織りながら静かに暮らすイオルフの民の少女マキア。ある日、イオルフの長寿の血を求め、レナトと呼ばれる獣にまたがるメザーテ軍が攻め込んできたことから、マキアとイオルフの民の平穏な日々は崩壊する。親友や思いを寄せていた少年、そして帰る場所を失ったマキアは森をさまよい、そこで親を亡くしたばかりの孤児の赤ん坊を見つける。やがて時は流れ、赤ん坊だったエリアルは少年へと成長していくが、マキアは少女の姿のままで……。

てな感じ。


 

 観た後にふと思い出したのは「メッセージ」と「インターステラー」のSF映画2本。この映画の主人公は歳をとらない種族という設定で「人を愛してはだめですよ」と言われて育ちました。当然自分は歳をとらないので、歳をとる種族を愛してしまうと必ず自分よりも先に死ぬ。間違いなく悲しい結末になるからですね。


だがしかし!それでも、人を愛するということの尊さと、悲しい結末になろうとも、その人との思い出は永遠に忘れることはない。人を愛するということの肯定感。このあたりはとても「メッセージ」感がありました。



てなわけで、戦争で世界が不安定な中、ひょんなことから国から遠くに出てしまった主人公が親を失った赤ちゃんを拾い、1人で育てていくというのが本作ですが、シングルマザーであること、また人種差別という苦労を抱えつつも、ひとりの少女がお母さんになっていく、少女から、そして母になる、成長譚としてもよくできていましたし、逆に母を思う子供の視点や苦悩もしっかり描かれていて、母と子、それぞれの愛の寓話として、しっとりと丁寧に描かれたいいファンタジー映画だなぁと思いました。

 

 

母と子、その別れの時がクライマックスなわけですが、ここは惜しげも無く「インターステラー」でしたね(笑)



死にそうな年老いた息子と、あの日と全く変わらない母。そして訪れる死。2人の思い出がフラッシュバックでもう一度描かれながら最後フワーッと空を舞う花の綿毛。そして泣く母!盛り上がる音楽!と正直すごく大仰なんだけど、まんまとほろほろ涙が出ましたね。描くところをちゃんと描けば大仰でいい!いやむしろこれくらいやってくれてありがとう!という気持ちになったり。


あまりアニメは見ないので初めは絵柄が苦手だったりしましたが、描かれる愛の物語はとてもまっとうで繊細で、個人的にはいいサプライズでした。しっとりとしたいいファンタジーでしたよ!

 

 

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好き度: 80点

かあさーーーん!!!( ;∀;)

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