ブラックパンサー
アドニス・クリード、国を乗っ取る
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監督: ライアン・クーグラーさん
脚本: ライアン・クーグラーさん、ジョー・ロバート・コールさん
出演: チャドウィック・ボーズマンさん、マイケル・B・ジョーダンさん、ルピタ・ニョンゴさん、他
原題: Black Panther
上映時間: 134分
あらすじ: パパのしりぬぐい
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マーベル新作「ブラックパンサー」を観てきました。もうアメリカでは超大ヒットですし、いろんな方向で革命的な1本になっていってるというのはみなさんもご存知のところだと思います。最近どんどん「マーベル疲れ」が進んで行ってる私ですが、今回は割と楽しみにしていました。なんせ監督があの「クリード チャンプを継ぐ男」のライアン・クーグラーですからね。てなわけで、ブラックパンサーですが、
これは素晴らしい脚本、そして素晴らしいヴィラン像だ…!と感心しました。が……!という感じ。
例によって映画.comさんからあらすじを拝借すると、
2016年公開の「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」でマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に初登場した新たなヒーロー、ブラックパンサーを主役に描くアクション映画。アフリカの超文明国ワカンダの若き国王ティ・チャラが、漆黒のスーツと鋭い爪を武器に戦うブラックパンサーとして活躍する。絶大なパワーを秘めた鉱石「ヴィブラニウム」が産出するアフリカの国ワカンダは、その恩恵にあずかり目覚しい発展を遂げてきたが、ヴィブラニウムが悪用されることを防ぐため、代々の国王の下で、世界各国にスパイを放ち、秘密を守り通してきた。父のティ・チャカの死去に伴い、新たな王として即位したティ・チャラは、ワカンダの秘密を狙う元秘密工作員の男エリック・キルモンガーが、武器商人のユリシーズ・クロウと組んで暗躍していることを知り、国を守るために動き始めるが……。主人公ブラックパンサー=ティ・チャラ役はチャドウィック・ボーズマン。監督を「クリード チャンプを継ぐ男」のライアン・クーグラーが務め、同作で主人公クリードを演じたマイケル・B・ジョーダンが、ブラックパンサーを追い詰める強敵エリック役で出演。
てな感じ。
何が良かったって、ストーリーがとても良かったですね。自国を守るために資源は外に出さず表面上は貧しい農業国を装う。しかし、貧しい農業国の裏側は超ハイテク科学王国だった…というワカンダの設定とその設定の活かし方、ストーリーとの絡め方がめちゃくちゃにうまかったです。そのワカンダの昔ながらのあり方、そのことが生んだ今回のキルモンガーというヴィランは間違いなくマーベル最高傑作のヴィランでしたね。彼がなぜそういう思想に至ったのか、という動機の部分がものすごくうまく、論理的に、説得力のある形で描かれるんですよね。マイケル・B・ジョーダンはほんとに素晴らしい演技でした。
国王ブラックパンサーもとても良かったです。キルモンガーと表裏一体の苦悩を持っているキャラクターでしたね。上の代がやってきた間違い、そのしわ寄せを背負い、自ら新しく歴史を始めていこうというキャラクターで、とてもグッときました。ブラックパンサー、キルモンガー、どちらにも感情移入可能な、ほんとに切実な苦悩を抱えていて、マーベルでもトップクラスにキャラクターの心を描けてる映画だと思いました。
素晴らしい脚本、素晴らしいキャラクターたちだったんだけど、残念だったのはアクション……。個人的にはアクションシーンがことごとく盛りがらず、つまらないアクションだらけでした。アクションだけならシヴィルウォーのブラックパンサーのほうが魅力的に描けてたなぁ。
前半の韓国シークエンスはそこそこどれも楽しかったんだけど、クライマックスのワカンダでのアクションはどれもすごくダサく見えてしまいました。クライマックスの原っぱでの合戦シーンはちょっとどれもアクションがダサかったし、新鮮味もまったくなく、CGの処理の甘さも気になりました。全体的にブラックパンサーというヒーローの特徴を生かした新鮮味のある特徴的なアクションがあまりなかったのと、1箇所くらいはカタルシスあるアクションシーンがほしかったなぁというのも残念でした。
個人的にはアクションがことごとくノレませんでしたが、とにかく脚本が素晴らしく、ヴィランは歴代トップレベルの魅力溢れるヴィランでしたし、全体的には楽しみました。あとサントラはことごとく最高!ケンドリックも満足だろうな〜〜。
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好き度: 80点
アクションが惜しかったな~
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