【映画感想】「パディントン2」 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 

パディントン2

 

こんな世の中だからこそ、理想論を諦めちゃだめだ

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監督: ポール・キングさん

脚本: ポール・キングさん、サイモン・ファーナビーさん

出演: ベン・ウィショーさん、ヒュー・ボネビルさん、サリー・ホーキンスさん、他

原題: Paddington 2

上映時間: 104分

あらすじ: 飛び出す絵本を奪い合います

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「パディントン」の続編、「パディントン2」を初日のレイトで観てきました。前作はほんとに大好きな映画でして(前作を観た直後の感想はこちら)、その続編ということでとっても楽しみにしていた本作。

 

 

素晴らしい映画でした(つД`)ノ

 

 

例によってあらすじを映画.comさんからはいしゃくすると…

1958年に第1作が出版されて以降、世界40カ国以上で翻訳され、3500万部以上を売り上げるイギリスの児童文学「パディントン」シリーズの実写映画化第2弾。ペルーのジャングルの奥地からはるばるイギリスのロンドンへやってきた、真っ赤な帽子をかぶった小さな熊のパディントン。親切なブラウンさん一家とウィンザーガーデンで幸せに暮らし、今ではコミュニティの人気者だ。大好きなルーシーおばさんの100歳の誕生日プレゼントを探していたパディントンは、グルーバーさんの骨董品屋でロンドンの街並みを再現した飛び出す絵本を見つけ、絵本を買うためパディントンは窓ふきなど人生初めてのアルバイトに精を出していた。しかしある日、その絵本が何者かに盗まれてしまう事件が発生し、警察の手違いでパディントンが逮捕されてしまい……。イギリスの人気俳優ヒュー・グラントが、新たな敵役フェリックス・ブキャナンを演じる。

と、こんな感じ。

 

 

冒頭に描かれるのはルーシーおばさんたちと幼いパディントンとの出会いのシーン。冒頭数分ですがすでにここでうっすらと涙が…。しかもこの冒頭の回想がラストシーンに効いてくるところも振り返って見事。

 

そこから現在に戻ってきてもうすっかり家族の一員、また町の一員となったパディントンの様子が描かれます。前回はパディントンとブラウン一家のお話でしたか、今回はこの前半で描かれるように、町の人々との関係、クマという他者を家族以外の人々がどう受け入れるかというお話になってて、前作で描かれたテーマを今回はさらに広げてしかも強固になっていました。その結果、前作よりもさらに今現在の映画であるという感じがとても強くなってて、今この世の中の空気感の中、このタイミングでこのテーマを描いたことはとても価値のあることだと思いましたよ。

 

とにかく脚本が素晴らしくて、前半で描かれる生活描写やそれとなく流していた何気ない描写を、後半で気持ちのいいくらい伏線回収をして、点と点が怒涛の勢いで線につながるというものすごく気持ちのいい作りでした。

 

 

今作の好きなところは人間の「善」の部分を作り手がとにかく信じきっているところ。この圧倒的な性善説っぷりにほんとに感動させられました。キレイごとじゃん、とか、理想論じゃん、とか、そんな意見を打ち砕くような。なんていうんだろうね、日本でもそうだし、世界的にまぁいろいろといや~な雰囲気じゃないですか。こんな世の中だけど、いやこんな世の中だからこそ、理想論を諦めちゃだめだなというか、人間の善の部分を信じてみようよという、この人間という生き物に対する圧倒的ポジティブ感が気持ちのいいほど炸裂してて、クライマックスは泣けました…(つД`)ノ

 

 

あと囚人チームの楽しさもよかった。画づくりも相まってウェス・アンダーソンの「グランドブダペストホテル」を思い出したり。そんなバカな!という映画の嘘がとても心地よくて、もうこれは好みの問題かもしれないけど、撮影と演出とキャラクターの化学変化がほんとに気持ちいい大好きな世界観の作りこみでほんと見事。悪役にすら、救いを与えるエンドロールも含めて、ほんとに一貫した精神性を貫いてて素晴らしかったな~。

 

あと一番好きなシーンは飛び出す絵本の中に入り込むパディントンの妄想シーン。ここはもろもろマジックが起きててすげぇし、なんか泣いちゃいました。良い演出だったな~。

 

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好き度: 80点

とても良い映画でした( ^ω^ )

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