【ドラマ感想】「このサイテーな世界の終わり」 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

このサイテーな世界の終わり

 

このサイテーな世界の終わり、そして始まり。

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出演: ジェシカ・バーデンさん、アレックス・ロウザーさん、スティーヴ・オーラムさん、クリスティン・ボトムリーさん、他

原題: The End of the F***ing World

あらすじ: 自称サイコパスと不機嫌なガールの逃避行

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海外批評サイトでかなりの高評価を集めている、Netflixオリジナルの20分×8話=計160分のドラマ「このサイテーな世界の終わり」を観たのですが、

 

 

最高でした(´;ω;`)

 

 

自称サイコパスの17歳の少年とわかりやすーく不機嫌なガールな17歳の少女がひょんなことから2人で家出し、少女の実の父親のところに向かうというロードムービーなんですが、途中でひょんなことから殺人を犯してしまい、2人で追っ手から逃げる犯罪映画でもありますし、なにより素晴らしいラブストーリーでもあるというのが本作。

 

 

 

とにかくよかったのは主役2人です。もう愛おしすぎるだろ!と悶絶しっぱなしでした。2人とも家族の問題でトラウマを抱えていて、「この世界なんてサイテーだ」と思ってるんですが、この鬱屈した感じの描写、キャラ造形がほんとに絶妙で、さらに演出のポップさ、キュートさ、オフビートなユーモア感とのバランスもとてもよくて、なんというのかな世界観の構築のトータルプロデュースがとてつもなくうまくいってると思いました。ウェス・アンダーソン的だったり、タランティーノ的だったり、いろんなところからの影響を感じさせるんだけど、最終的にはしっかりとオリジナリティのある作品になっていてそこも良かったです。

 

とにかく2人とも「世界」というものを拒絶して中指たててるようなキャラクターなんだけと、そんな2人が逃避行の旅の中でだんだんと惹かれあっていく丁寧な描写の積み重ねがとてもよくってね(/ _ ; ) ひょんなことから殺人を犯しちゃって、逃げることになり…という中盤からの展開、そして最終的にたどり着く堂々たるニューシネマ感にもとてもグッときて。愛というものを知らなかった少年少女(特に少年のほう)が、愛というものを知る、その不器用さや、ティーンならでわのこじらせ感も含めてですが、あのラストシーンのとてつもなくかっこいい姿にもう涙腺崩壊でした。ラストシーンも、撮影や演出、ラストカットのキレ、最終話はほんとに見事なもんでした。

 

 

もう僕はこの2人のことがほんとに愛おしいので、あのラストシーンのあと2人がどうなるか(少年は生きているのか…)わかりませんが、でもなんていうのかな、このサイテーな世界の終わりという題名だけと、むしろ終わりに始まった感があったというか、なんとなく未来が開かれて終わってる爽快感があって。やっと愛というものを、人間を、愛し、守りたいと思えた、この破滅的だけどどこかセカイの肯定感に満ちたいいラストだったなぁ〜。

 

少年少女のポップな「俺たちに明日はない」または「トゥルーロマンス」、でも最後にはポップさを1つ越えた堂々たる(ドラマですが)映画的快楽に満ちて終わるこのドラマ。気になった方はNetflix限定ですが、観てみてはいかがでしょうか。

 

僕はダイスキな作品でした。短いですし、疾走感のある作品なので、イッキミがオススメです!

 

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好き度: 90点

ダイスキ!( ^ω^ )

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