【映画感想】「オリエント急行殺人事件(2017年)」 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 

 

オリエント急行殺人事件(2017年)

 

映画館スタッフ「映画本編始まって2分経ってます。入られますか?」

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監督: ケネス・ブラナーさん

脚本: マイケル・グリーンさん

原作: アガサ・クリスティさん

出演: ケネス・ブラナーさん、ジョニー・デップさん、ミシェル・ファイファーさん、ジュディ・デンチさん、ペネロペ・クルスさん、デイジー・リドリーさん、ウィレム・デフォーさん、他

原題: Murder on the Orient Express

上映時間: 114分

あらすじ: オリエント急行で殺人事件が起きます。

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仕事が終わってから、平日の夜の回を見にいくことがほとんどの私(最寄りの映画館が平日にサービス券をくれるため)。なんか観たい映画も特にないけど、でも「映画館」に行きたいという気分だったので、「よし今日はオリエント急行殺人事件のリメイクを見よう」と決めて、仕事が終わってすぐ車に乗り映画館へ。うまくいけば15分前くらいに着いて、まぁなんとか間に合う時間だったのです…が!!大渋滞に見事にハマったーー!!「あれ、これ間に合わないんじゃね?」うすうすわかりつつも「いや、予告編がめっちゃ長いパターンもあるし!」と映画館に進み、カウンターのお姉さんに「本編入ってますか?」と聞いたところ「映画本編始まって

2分経ってます」との返答。

 

さて、ここで入る人間と入らない人間がいると思うんですよ。2分ですよ。120秒。しかも観ようとしてる映画はそんなに超楽しみな映画というわけじゃない。さて、あなたは入りますか?

 

頭の2分間にめちゃくちゃ大事な伏線が張られてるパターンとかあるじゃないですか。この2分にすげぇ大事な要素があったとかさ。ということを恐れて、僕は始まって2分の映画館に入らず。マクドナルドでグラコロ食べてお家に帰ったのでした。片道車で30分なんですが、この日は45分以上かかり。いや〜でもやっぱり映画って時間に余裕を持って行かなきゃダメだよなぁと当たり前のことを改めて思ったのでした。まぁでも時間を作り出すのが社会人になって、そして仕事柄今の時期はほんとに厳しくなってきて、映画一本みるのも大変だなと。今まで山ほど映画館で映画を観てきてますがこんなことが起きたのははじめてなので、なんだかだんだん映画一本に対する価値が学生時代とは比べ物にならないくらい上がってきてるなぁと感じました。学生時代は映画館で寝るのとかぶっちゃけよくあることで、まぁもう一回見ればいいやなんていうクソみたいな考えで映画を観てましたが、ほんとにあの時の俺を殺したいですよ!おいお前!今の俺は映画一本見逃したらもう次はないかもしれないんだぞ!と。昔は映画が始まって入ってくるやつとかほんとムカついてたんですけど、なんだか今後はそんな光景を見ても優しい気持ちになれる気がします。きっと遅れて入ってきたその人もめっちゃ仕事が忙しくて束の間の休息で映画を注入したかったに違いない…社会人って大変だな!社会人の映画ファンの皆さん、今後もがんばりましょう!!( ;∀;)と、社会人2年目の小僧の駄話でした。

 

そんなわけで、どうも消化不良な気持ちになったので後日時間があったので「オリエント急行殺人事件」観てきました〜。

 

 

まぁまぁな感じでした(・ω・)

 

 

あらすじを映画.comさんから拝借すると、

トルコ発フランス行きの寝台列車オリエント急行で、富豪ラチェットが刺殺された。教授、執事、伯爵、伯爵夫人、秘書、家庭教師、宣教師、未亡人、セールスマン、メイド、医者、公爵夫人という目的地以外は共通点のない乗客たちと車掌をあわせた13人が、殺人事件の容疑者となってしまう。そして、この列車に乗り合わせていた世界一の探偵エルキュール・ポアロは、列車内という動く密室で起こった事件の解決に挑む。

という感じで、まぁ「オリエント急行殺人事件」そのものですな。

 

 

ぶっちゃけ、最初の2分は観なくても全然問題なかったのですが…まぁそれは置いといて、今回の「オリエント急行殺人事件」、やっぱりこんだけの豪華キャストと美術と衣装で、この豪華な空気感だけでなんか得した気分になる映画でした。年始にはちょうどいい感じというか。おもしろすぎないところも含めて(小声)。

 

まぁ見るか迷っていた最初の2分がまさかのアクション展開ということからもわかるように、今回のポアロさんはめちゃくちゃアクティブなキャラクターになっておりました。今までのイメージとしてはゆったりとした理屈っぽいおじいちゃんという感じでしたが、今回はケネス・ブラナー本人がやってるということもあり、シュッとしてて杖を駆使したアクションもこなすというだいぶカッチョいいキャラクターに軌道修正。ケネス・ブラナー、自分でやるんだからそりゃそうだよね!

 

 

シドニー・ルメット版と比べても特に良かったのはミシェル・ファイファーが演じる役でした。この好演はミシェル・ファイファー好きにはうれしい。この人が最後にあっと変化するシーンやその後の独白は、あぁやっぱミシェル・ファイファーってうまいなぁ〜と思いましたし、なにより今回のラスト周辺はウェット方向に振りすぎな嫌いもあるけど、でも、誰か1人の人間に起こった悲劇がその周りの様々な人々に伝染していくというこの悲劇の連鎖の描き方がシドニールメット版よりもしっかりしてるように感じて、そこがとても良かったです。

 

 

ですが、さすがにやっぱりウェット方向に振りすぎててやっぱり胃もたれしましたし、アクティブすぎるポアロの造形とそれによる取ってつけたようなアクションシーンの数々が映画全体のバランスからちょっと浮いてるように見えちゃってちょっと微妙でした。なんていうんですかね、ちょっとバランスとしてポアロが前に出すぎというか、個人的な好みとしてはもうちょっとポアロ自身のうんぬんは控えめにしてほしかったなぁと。まぁ監督主演でポアロをやる男ですからケネス・ブラナーは…しょうがないんだけども。元カノの写真を見つめて感傷に浸るようなシーンなんていりません…。

 

まぁでも観て良かったですよ。これを機に久々にシドニー・ルメット版をまた観たり原作読んで「ぁぁやっぱアガサ・クリスティおもしろいなぁ」なんて思ってる今現在なので、なんだかんだでリメイクとしての機能はしっかりと満たされているなと思いました。次は「ナイル殺人事件」やるみたいですし、久々に見てみようかなぁ〜とか、原作の「ナイルに死す」読んだことないなぁとポチったりしてるので、やっぱりいい企画だなこれ。

 

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好き度:  60点

まぁまぁでした(・ω・)

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