【特別編】「そーす太郎のオールタイムベスト10」 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

このブログももう5年がたちまして、早いものです。

記念に最新版のオールタイムベスト10を挙げたいと思います。

オールタイムベストって選定基準がほんといろいろあると思いますが、

とりあえず自分に正直に格好をつけずに、「好き」、という1点で10本選びました。泣く泣く漏れたものが何本もあるけどでもやっぱりブレない10本を並べました。

 

 

 

【そーす太郎のオールタイムベスト10】

 

1位 「ロッキー」 1976年/米

2位 「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望」 1977年/米

3位 「ぐるりのこと。」 2008年/日

4位 「ヌードの夜」 1993年/日

5位 「カイロの紫のバラ」 1985年/米

6位 「宇宙戦争」 2005年/米

7位 「(500)日のサマー」 2009年/米

8位 「28週後…」 2007年/英

9位 「愛のむきだし」 2009年/日

10位 「プリンセスと魔法のキス」 2009年/米

 

 

毎回ちょっとずつ変わりますが、今現在の気持ちはこんな感じであります。

では、1本1本少しずつ振り返ってみます。

 

 

 

1位 「ロッキー」 1976年/米

 

 

人生の岐路に立つたびに、なにか大事な選択を迫られるたびに、何度も何度も「ロッキー」を観なおしてきました。荻昌弘先生のこの名解説とともに。

 

はい、いつものやつです。

 

 

お前は、人生するかしないかの分かれ道でするほうを選べる人間か?今後も自分にそう問いかけつつ、あそこでするほうを選んだロッキーのように、人生を歩んで行きたいものです…。頑張りますロッキーさん…。

 

 

 

2位 「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望」

 

 

スター・ウォーズがなければこんなブログもやってないだろう…というくらい大きな存在がスター・ウォーズ。SF映画オタクである父親による洗脳によりまんまとスター・ウォーズが大好きな子供に育てられ、今はこんな有様でございます。スター・ウォーズは全ての作品にそれぞれ思い出があるけど、父親による洗脳段階でたぶん人生で一番観た映画であるエピソード4をあげたいと思います。人生を狂わされた映画というのがしっくりくるスター・ウォーズです。

 

 

 

3位 「ぐるりのこと。」 2008年/日

 

 

橋口監督による夫婦映画の傑作。リリーフランキーと木村多江の演技アンサンブルの素晴らしさは言わずもがな、取り乱し号泣する妻の涙と鼻水をぬぐいながらしれっとしょうもない下ネタを絡めて妻を支えるシーンがとても好きで、涙と笑顔が一気に押し寄せる名シーンだらけの本作。大切な人がピンチに陥ったとき、そばにいる人間はなにをしてあげられるか。そんな重く難しすぎる問題の答えがここにあるかもしれないなと思える素晴らしい夫婦映画です。実際に起きた20世紀末の混沌とした社会情勢と夫婦の再生を絡める作劇の見事さはもちろん、いろいろなことを芸術に昇華するクライマックスにも号泣。

 

 

 

4位 「ヌードの夜」 1993年/日

 

 

石井隆監督による村木と名美の物語。石井隆作品はどれも好きですが、一番はじめに衝撃を受けたのがこの「ヌードの夜」の1作目でした。全シーン全カットがとにかくカッコよく、艶やかで、不気味。ネオンや雨、、業を抱えた謎の美女に、それを縛る暴力的な男たち、そこから救おうとする孤独な男、そして悲しくも美しいラストなどなど、石井隆汁がこれでもかと詰め込まれた素晴らしいジャパニーズノワール。後半の海辺の長回しや、ラストシーンの切なさ、切れ味など、とにかく忘れがたい。数年前に新文芸坐の石井隆特集でスクリーンで何度も観たのも印象深い思い出です。

 

 

 

5位 「カイロの紫のバラ」 1985年/米

 

 

ウディ・アレン監督作。30年代のニュージャージーを舞台に映画に生きがいを求める人妻の姿を夢と現実を織りまぜて描くファンタジー、「カイロの紫のバラ」が5位。現実世界の辛さや悲惨さは映画を見たところでなんら変わるわけではないという厳しさを最終的に突きつけつつ、せめて映画を見ている間は…という、なぜそれでも我々は映画を観るのかというところまで持って行ってくれる優しさ。これがこの映画の好きな理由です。

 

 

 

6位 「宇宙戦争」 2005年/米

 

 

僕のベスト・スピルバーグ映画であり、ベスト・トム映画である「宇宙戦争」。スピルバーグの洗練・計算されつくされた恐怖演出の連べ打ちに震えつつも陶酔。観るたびにほんとうに惚れ惚れする映画です。日常がひょんなことから残虐性剥き出しに変化する様、粉々にされる人間たち、暴徒化する人々、川を流れる死体、家族と離れ離れになる恐怖、叫びまくるダコタちゃん、宇宙人より怖いティム・ロビンス、そして父になるトム。恐怖映画、残酷映画の最高峰だと僕は思っています。スピルバーグ映画でも、個人的には突出した1本です。

 

 

 

7位 「(500)日のサマー」 2009年/米

 

 

僕のベスト恋愛映画、500日のサマーです。観るたびにつらくなり、過去の失敗を思い出し、ズタズタになりながら、それでもなんども観てしまう映画です。劇場公開時よりも、いろんな経験をして改めて見る500日のサマーはほんとに味わいが違って、年々この映画が愛おしくなっていきます。僕らはいつだって自分のことしか考えてないし、あのとき僕らはサマーのことなんてなにも理解しようともしてなかったのかもしれない。と元カノに思いを馳せてしまうダメな僕なので、もちろんトムは他人とは思えないのです…。

 

 

 

8位 「28週後…」 2007年/英

 

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僕のベスト・ゾンビ映画がこの「28週後…」。「28日後…」の続編映画です。この映画は絶望の連鎖のさせ方がほんとに巧み。人間の愛情とか好意とか善意とかがことごとく裏目に出ていく容赦のなさがほんとに怖い。そもそもなぜこんな事態になったのかをさかのぼると一人の人間の弱さだった…というのもすごく良いんですよね。中盤の人間もゾンビもぐっちゃぐちゃになっちゃって、もういいみんな撃て!そしてもういい街ごと焼き尽くせ!となっていくシステムとして健全な人間を殺していく描写など、もう最悪の絶望感を見事に味わえる素晴らしいゾンビ映画であり、バイオレンス映画であると思います。

 

 

 

9位 「愛のむきだし」 2009年/日

 

 

園子温監督の出世作「愛のむきだし」が9位。これはもうとにかく初めて見たときの衝撃ですね。公開当時、ちょうど映画をいろいろとそれまでよりも掘って観はじめてた時期で、こんなのがありなのか、こんな映画があっていいんだと、圧倒されたのを覚えています。もうこれは出会ったタイミングですね。映画から漏れ出てる作り手の熱というか殺気に圧倒されて、そういう意味では最近の園監督作にはもうまったく観られないみずみずしさと熱意が詰まってて、なんだか最近は彼の監督作の味気無さを観ると切ない気持ちにもなります…というのはここだけの話…。

 

 

 

10位 「プリンセスと魔法のキス」 2009年/米

 

 

僕のベストディズニー映画であり、ベストアニメーション映画がこの「プリンセスと魔法のキス」です。とにかく、ホタルのレイというキャラクターですね(僕のツイッターのアイコンにもなっています)。このキャラクターは空に浮かぶ星に恋をしてるんですが、このキャラクターが迎えるラストがおそらく僕が人生でいちばん涙が出た瞬間でした。しかもそのラスト、ほんとに動きのないただの星の絵なんですよね。それでここまで感動させられるのかと。CG全盛の中あえて手書きアニメーションに戻し、はじめてアフリカ系アメリカ人のプリンセスで舞台はニューオリンズで素晴らしいジャズベースのサントラ、今では当たり前ですが、王子様を待つのではなく夢を掴みに行く地に足の着いた非常に現代的なプリンセス像の先駆けであるなど、様々な挑戦にすべて成功していて、さらにここから、ラプンツェルやアナ雪に繋がるディズニープリンセス映画復権ののろしを上げたという意味でも、実は近年のディズニー映画では最重要作品な気がしているのは僕だけじゃないはず…そんなプリンセスと魔法のキスが10位でした。

 

というわけで、特別企画、私のオールタイムベストテンでした。今後ともよろしくお願いします。