【映画感想】「gifted ギフテッド」 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 
 
 
 
gifted ギフテッド
 
 
あなたはこう育つべき、という暴力
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監督: マーク・ウェブさん
脚本: トム・フリンさん
出演: クリス・エヴァンスさん、マッケンナ・グレイスさん、オクタビア・スペンサーさん、他
原題: gifted
上映時間: 101分
お話: 天才少女をどう育てるかで戦います
好き度: ★★★☆☆ 3.5/5.0点
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「500日のサマー」を撮った男マーク・ウェブがちょうどいい規模の映画に帰ってきた「gifted ギフテッド」を観てきました。子役の演技が凄まじかったです(O_O)
 
何らかの理由で母親のいない天才少女メアリーとその母親の兄弟であるキャプテンアメリカの2人の生活。そこに金持ちの祖母がやってきて、天才なんだから英才教育を受けさせるべきだ!と主張。普通の子のように育てたいキャプテンアメリカと対立し裁判に発展する。と言う感じのお話。
 
 
 
 
前半と後半でトーンが変わるんですが、500日のサマーが何気ない日常描写が素晴らしかったように、ほんとに前半の血の繋がらない親子2人の生活描写が素晴らしい。ほんといつまでも観ていたいと思えるのだけど、それも天才少女メアリーちゃんを演じるマッケンナ・グレースの素晴らしい演技の賜物。大家さんのオクタビア・スペンサーもいい味を出してて、この3人の演技アンサンブルが最高でした。

 
 

後半はなぜメアリーがここまで天才的な数学の才能があるのか、数学者であったその母親はなぜ死んだのか、祖母はなぜそこまで英才教育を受けさせたがるのか、逆にキャプテンアメリカはなぜ普通の子のように生活させたいと思っているのか、というミステリー展開に。

子供を育てるってすごい難しいことだなぁと思いましたね。祖母の英才教育を受けさせたい!っていうのは彼女のエゴであることはまちがいないですが、ではキャプテンアメリカの普通の子のようにのびのび育てたいっていうのはどうか?これもこれで親のエゴなんですよね。では子供はどう育ちたいか。まだ小さい子供はそんなのわからないわけですよね。子育てに正解はないと言いますが、ほんとにそうで、この子のためを思って…っていうことって所詮は大人側のエゴで、知らず知らずに子供を苦しめてるかもしれない。でも親がいないと子供は生活できない。ほんとに難しいですよね…と改めて思わされました。

最終的にさまざまな選択肢を広く残したような選択をして映画は終わるのですが、親のできることって、子供に、広くたくさんの選択肢を残してやることなのかもな、と思ったりしました。ま、子供いないけどね!

全体的にちょっと展開が予定調和でダイジェスト感が強かったのです。もうちょっと尺があってもいいかななんて思ったりもしましたが、この天才子役の演技が素晴らしかったり、子供を育てるってどういうことなんだろうということを考えられるいい映画でした。マーク・ウェブにはこの規模の映画をもっと撮って欲しいです。いい映画でした。