奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
狂わせるガールにも幸せになってほしいということ
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監督: 大根仁さん
原作: 渋谷直角さん
脚本: 大根仁さん
音楽: 岩崎太整さん
出演: 妻夫木聡さん、水原希子さん、松尾スズキさん、リリー・フランキーさん、他
お話: 出会う男すべて狂わせるガールに振り回されます
好き度: ★★★★☆ 4.0/5.0点
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大根仁監督の新作観てきました。あんまり観る気はなかったんだけど、時間があったのでふらっと。
意外にもグサッと刺さりました(・∀・)
映画,comからあらすじを拝借すると、奥田民生を崇拝する雑誌編集者を主人公に、全編にわたって奥田民生の楽曲が使用されるラブコメディ。「力まないカッコいい大人」奥田民生に憧れる編集者コーロキが、おしゃれライフスタイル雑誌編集部に異動となった。仕事で出会ったファッションプレスの美女、天海あかりに一目ぼれしたコーロキは、あかりに見合う男になるべく、仕事に精を出し、デートにも必死になる。しかし、やることなすことすべてが空回り。あかりの自由すぎる言動に常に振り回され、コーロキは身も心もボロボロになってしまう。―――というお話。
この子は自分とは釣り合わないんじゃないか…というくらいの美しい子とひょんなことから付き合うことになっちゃう経験が以前、僕にあったのですが、なんかいろんな思い出がよみがえってきて、予想外に刺さりました。水原希子演じる狂わせるガールに振り回される描写がとても秀逸でした。背伸びした恋愛のイタさというか、こういうタイプの女の子と付き合ってしまってどんどんツラくなっていく感じがあ~と、いろいろ思い出したり…。
要はこの映画の狂わせるガールって、あんまり自分の意思とかなくて、自然に相手の求める女の子を演じちゃうような子で、なんというか一種の幽霊みたいな存在というか(笑)まじでこれ幽霊映画みたいなもんだと思うんですよ。とにかく自分とかあんまりないし、とにかく男の求める姿に変貌する。誰かに抱かれていたい、恋愛してないと死んじゃう系女子だと思うわけです。そっちにグイグイ引っ張られる妻夫木という構図もおもしろかったなぁ。
こういう子いるよね。というかまさに僕の元カノがほんとにこういう子で、マジでおんなじような経験をしたのでほんとにいろいろ思い出しました。そしてその元カノからこの間LINEがきたんですよ。「狂わせるガール観た?」「これちょっと前までの私みたいで怖かったわ~」と。お前もそう思っていたか!俺もそう思っていたよ!
だからこそ思うんですけど、この映画、キモはラストシーンなんですよね。妻夫木はいろいろあって安藤サクラ演じるコラムニストと結婚してるっぽく、仕事もとてもいい感じっぽい。そば喰いながら過去の自分を思い出してると、外国人と腕を組んで歩く水原希子を見つけて終わるというあのラストシーン。まさにジャパニーズ・ラ・ラ・ランド展開でしたね。いろいろあってそれをバネにして頑張った妻夫木があの頃を思い出し、元カノに夢中だったあの頃を思い出しつつ、今を生きるという。これ、妻夫木は確実に一つ大人に成長したわけですが、なんというか水原希子のことを思うと、なんだかこれ苦い映画じゃないかな。とおもったりもしたんですよね。水原希子はいつ気づくんでしょうか。ずっと男の求める女になり続ける幽霊のような女の子のままなのでしょうか。狂わせるガールにも成長してほしいな、というか、彼女も何か「気づく」という幸せを掴んでほしいなと思ったのでした。
ま、忘れられない元カノってまさに幽霊のように男を呪い続けるようなものではありますが(;´∀`)でもそれでも前に進んでいこうぜという、前向きな気持ちになりました。狂わせるガールにも幸せになってほしいな、、って思ってる時点で元カノを忘れられてないんだけどね(笑)