新感染 ファイナル・エクスプレス
アロハ・オエ～♪(´Д⊂ヽ
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監督： ヨン・サンホさん
脚本： パク・ジュソクさん
出演： コン・ユさん、キム・スアンさん、チョン・ユミさん、他
原題： Train to Busan
上映時間： 118分
お話： 新幹線の中でゾンビパニック！
好き度： ★★★★☆ 4.0／5.0点
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去年から大評判を聞いていた「釜山行き」が「新感染 ファイナル・エクスプレス」というおもしろ邦題でやっと公開。賛否ありますが個人的にはこの邦題はアリ派だったりします(笑)
てなわけで「新感染」ですが、とてもおもしろかったです。アロハ・オエ～～♪(´Д⊂ヽ
お話はこんな感じ。ソウルでファンドマネージャーとして働くソグは妻と別居中で、まだ幼いひとり娘のスアンと暮らしている。スアンは誕生日にプサンにいる母親にひとりで会いにいくと言い出し、ソグは仕方なく娘をプサンまで送り届けることに。ソウルを出発してプサンに向かう高速鉄道KTXに乗車したソグとスアンだったが、直前にソウル駅周辺で不審な騒ぎが起こっていた。そして2人の乗ったKTX101号にも、謎のウィルスに感染したひとりの女が転がり込んでいた。主人公のソグ親子のほか、妊婦と夫、野球部の高校生たち、身勝手な中年サラリーマンなど、さまざまな乗客たちが、感染者に捕らわれれば死が待ち受けるという極限状態の中で、生き残りをかけて決死の戦いに挑み、それぞれの人間ドラマが描かれる。（映画.com）
もうとにかく、製作側のサービス精神に感動しました。ゾンビ映画×乗り物映画という組み合わせで、考えうる押してほしいツボをしっかりと押してくれる的確な演出、キャラクターをそれぞれしっかりと活かした群像劇としてのおもしろさ、ダメな父親が極限状態で子供を守るために真に父としてそして人間として成長する親子ものとしてのおもしろさ、そして成長物語、サービス精神満点の展開の数々、などなど。お腹いっぱい、ごちそうさまでしたという感じでございました。楽しかったな～(・∀・)
この映画はもうキャラクターの描きこみの素晴らしさだと思うんですよね。とうぜん乗り物映画なので群像劇的楽しさがあるわけですが、もうほんと見事だったと思います。主人公親子、強面夫と妊婦の夫婦、老姉妹、ホームレス、遠征中の野球部とマネージャー、後に悪役的役回りになるおじさん、そして運転手、などなど、とにかくみんなキャラクターがたちまくってるんですよね。それぞれ丁寧に後の展開に繋がる伏線やどういう人間なのかを前半でちゃんと描いてるからこそ、後半極限状態に追い詰められた時に容赦なく露呈してくる真の人間性みたいなものに感動したり、逆に恐怖したりするという…見事なキャラクター交通整理力だと思いました。
あとこの映画、とても印象的に壁（ガラス、ドアなど）を一枚挟んで、という描写がうまーく使われてるんですよね。すぐそこにいるのに…あと壁一枚で助かるのに…など、とにかくそのあと壁一枚が厚い厚い。ゾンビよりも怖いのは人間！がさく裂するあの先頭車両の人間同士の攻防とその顛末はこの映画の白眉でしょう。素晴らしく怖く、残酷で容赦のない素晴らしい攻防でした。
主人公のダメな父親がほんとに最初の方はクソ野郎なんですが、そのダメな父親がこの極限状態でまわりの勇気ある行動や人としての正しさに刺激されて成長していき、最後は見違える姿になっていく、父の成長物語としての軸も実に見事でした。
極限状態で自分よがりになったり、まともな状態じゃなくなることもあるけど、でもそんな状態だからこそギリギリのところで出てくる人間の尊さとか真の勇気や思いやりみたいなものに心底感動しました。
もうちょっとこうすれば…ってところもなくはなくて、まずゴア描写は正直ちょっと物足りなかったですね。もうちょっとゾンビが心底怖いという描写を入れ込んでほしかったけど、まぁレイティング対策でいたしかたなしでしょうか…。
あと、ちょっとウェット方向に振り切りすぎというか、感動をあおりまくるラスト周辺はちょっとだけクドいなぁというところもありました。子供が生まれたときの回想とか、ちょっとキツかったなぁ…。
まぁでも文句はその辺くらいで、人間がしっかり描けてるし、笑えるシーンもあり、人間のおぞましさと逆に尊さも描けてる、そしてラストシーンの切れ味。これは素晴らしかった！アロハ・オエ～～～♪(´Д⊂ヽ うまいなぁ！