【映画感想】「パトリオット・デイ」 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 

 

パトリオット・デイ

 

大傑作!!……だけど1点だけ言いたいことが。

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監督: ピーター・バーグさん

脚本: ピーター・バーグさん、マット・クックさん、ジョッシュ・ゼッツマーさん

出演: マーク・ウォールバーグさん、ケビン・ベーコンさん、ジョン・グッドマンさん、J・K・シモンズさん、他

上映時間: 133分

お話: ボストンマラソンで爆破テロが起きます

好き度: ★★★★☆ 4.5/5.0点

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「バトルシップ」を撮った男ことピーター・バーグの今年2本目の映画(前作は「バーニング・オーシャン」)、「パトリオット・デイ」を観てきました。感想としては、最高でした。これは傑作だと思います!個人的にはピーター・バーグ最高傑作であり、テロを描いた映画としてマイベスト級の一本になりました(つД`)ノ

 

 

ボストンマラソンのテロはニュースとかで見てはいたけど、この映画を観るまでほんと詳しいことはなにも知らなかったのでまず単純にお話自体に手に汗握りまくり。これがほんとにあったことだったとは。あの爆破テロだけではなく、そのあとあんな住宅街であんな壮絶な銃撃戦があったとは、町を閉鎖してあんな逮捕劇があったとは、、などなど不謹慎ながらまず実録もののお話としておもしろすぎました。

 

この映画はほんとにピーター・バーグの演出がさえまくってって、まずなんといっても爆破テロが起きる前半の演出が素晴らしい。この後爆破が起きるとわかってみてるので、もうハラハラがとてつもなく、そして何より爆破のタイミングの演出の確かさ、ちゃんとめちゃくちゃ悲惨でとにかくめちゃくちゃ怖い。とにかく怖い。そして爆破後の地獄絵図。爆破テロものとしてものすごく真摯に、こういうところでテロが起きたらどうなるかを逃げずに描き切った製作陣はほんとすごいと思いました。。今年観たどの映画よりもこの爆破シーンは怖かったです。

 

 

何の情報も入れずに観たので、爆破がほんと前半にきたことにビックリしました。物語のキモはここからどう犯人を逮捕するかというサスペンスにシフトチェンジ。ここがまたほんとに素晴らしかった。ここからkビン・ベーコン、ジョン・グッドマン、JKシモンズという豪華な良い顔のおじさんがゴロゴロ登場。この映画、働くおじさん映画、お仕事映画としてもとても良かったなぁ。様々な組織、人間、そして町全体が事件解決、犯人逮捕に向けて一丸になっていくという映画だったんですよね。最悪な状況に陥った、でもギリギリのところで見えたなんというか人間の美徳みたいなものが垣間見れてまさかこんなに感動するとは思いもよらずでした。群像劇としてもほんとに良くできてて、人間描写の描きこみもほんとにうまいよピーター・バーグさん。

 

そして後半の見せ場である住宅街での熾烈な銃撃戦も緊迫感がほんとに素晴らしかったですし、ここもほんとにちゃんと怖かったです。複数投げ込まれる爆弾のえげつなさとか、当たり前だけど銃の怖さ、そしてここぞと言いうときにやってくるフレッチャー先生ことJKシモンズの全力タックルに男泣き。。そこからさらに展開して、地域全体を閉鎖しての犯人逮捕にむけてのクライマックスのシークエンスも本当に見事に緊張感を維持。素晴らしかった。まじで、文句のない映画だなぁと思っていたのですが1点だけ明確な文句があって……

 

 

 

これはこの間、「バーニング・オーシャン」の感想でも書いたんだけど、エンドロール前につく実話ものでは最近定番になってる「ご本人登場」パートが、しかも今回はかなりがっつりとした尺でついてるんですよ。正直に言いますが、ほんとうにやめてほしい…と思いました。今回はあまりにもくどすぎと感じました。しかもそこで語られることは、映画で描いてきたことの繰り返しで、ドキュメンタリーならわかるけど、この映画は実話をもとにしてるとしても劇映画なんですよね。そりゃぁご本人が出てきちゃうと少なからず感じるところはありますし、ものすごいリスペクトも感じます。感じますが、なんというかどんなに悲惨な実話を扱ってるとしても劇映画の矜持を保ってほしかったというか、急にテレビっぽくなってめちゃくちゃ覚めちゃうんですよ。これ僕だけですかね?これまでの素晴らしかった映画部分が負けちゃうというか。実はバランスとして、ご本人登場のパートってものすごく作劇としてアンバランスなんじゃないかなと思ったりしました。

 

ま、これは好みの問題だろうから、どうでもいいちゃいいんだけど…でもどうも僕はこのあらゆる映画で最近多用されるご本人登場は好きになれないんですよね…。

 

ま、とはいいつつ、まちがいなく今年のベストテンには入ってくるだろうという、素晴らしいテロを描いた映画であり、今も世界各地でテロが起きてる今というリアルタイム性もあるし、日本で起きたら、このように事件解決犯人逮捕にこぎつけることがはたしてできるのか…などいろいろと考えますし、なにより1本の映画としてまじでおもしろすぎます。ほんと素晴らしい映画でした!!