哭声 コクソン
好き度: ★★★★☆ 4.5/5.0点
「自分の目で見てないのに、信じるのか?」
けっこう頑張って書いてたのに全部消えてしまったのでダウナーな気持ちで書いております( ;∀;)めんどくさいので要点だけ。哭声、ナ・ホンジンの新作ですね。やっとこちらでも公開されたので観てきましたが、これがめちゃくちゃおもしろかったです!!(・∀・)
あらすじは、平和なある村にやってきた、得体の知れないよそ者の男。男が何の目的でこの村に来たのかは誰も知らない。村じゅうに男に関する噂が広がる中、村人が自身の家族を虐殺する事件が多発する。殺人を犯した村人に共通していたのが、湿疹でただれた肌に、濁った眼をして、言葉を発することもできない状態で現場にいることだった。この事件を担当する村の警官ジョングは、自分の娘に殺人犯たちと同じ湿疹があることに気付く。娘を救うためにジョングがよそ者を追い詰めるが、ジョングの行動により村は混乱の渦が巻き起こってしまう。―――というお話。
げろげろサイコホラーかと思ってたけど、観てみると「宗教色が強いときのコーエン兄弟の映画みたいだな」というのが率直な感想でした。
最初は「悪の法則」的な一度流れに乗るともうそこから出ることはできない的な悲劇の話かと思ってたんですよ。だけど、そうでもなかったですね。出口は示してくれてるのに、疑心暗鬼とか愛とかで出口がわかんなくなっちゃうという映画でしたね。悪の法則にハマったのはオメェの着実に積み上げてきた選択の集積じゃ!っていう。そこにエクソシストやゾンビや田舎ホラーやオカルト、いろいろな要素が詰め込みまくりでサイコーでした。
悲劇に見舞われた主人公。
こわいこわい準さん。悪いやつだ!いや、やっぱり良いやつだったのか!?いや、やっぱり悪い悪魔でした( ;∀;)
祈祷師ファンジョンミン。実は準さんとグルの悪魔でした。
悪いやつかと思ってたら実は神様的な存在の助けてくれようとしていた女性でした( ;∀;)
てなわけで、この映画、観客をグラングラン揺さぶりまくりなんですよね。実はこうでした実はこうでした!のつるべ打ちで、まじで観てる俺たちはどこに連れて行かれるの?と画面から目が離せなかったですね。「自分の目で見ていないのに、信じるのか?」とセリフで出てきますが、この映画はまさにこういう映画でしたね。この映画、編集がめちゃくちゃ練られてるんですよね。普通に正しい順番で事実を見せられると納得できるものも、編集によって観客をミスリードしまくるんですが、、この主人公もまさにそうで、ああ疑いの心っていうのはこうやって生まれてくるのかしらなんて思いましたね。いろいろな要素を主人公が勝手に頭の中で編集して、こうだと決めつけて行動していくのですが、それが地獄の出口からどんどん遠ざかる原因になっちゃうという。。
最終的に神様的に実は守ろうとしてくれていたという女性が、最後悪魔國村に負けて泣いてましてね、それを観てなんだか世の悲劇ってこういう感じなのかなというのも思いましたね。もっとわかりやすく教えてよ!と言っちゃえばそれまでですが、まぁ神様ってそんなに都合よくよなぁとか。ヒントはくれてるのに、気づかなかったのは自分だったんじゃないかとかね、しかもその理由が守りたい人がいるという愛。その愛が疑いを生むという構造がしっかりと描かれていて、ゲッソリしつつもとてもよくできた悲劇というものの寓話でした哭声。いや~いろいろありますが、普通にこの映画めちゃくちゃ気が狂ってて最高なんですよね。今年一番パンチのある映画で、最高に楽しかったです。