レゴバットマン ザ・ムービー
好き度: ★★★★☆ 4.0/5.0点
「バットマンあるある早く言いたい~♪」
レゴバットマン観てきたのでちょろりと感想を。映画秘宝で推されていたり、信頼する映画評論家の添野知生さんが「『ダークナイト』以降のバットマン映画では間違いなく最高傑作」とおっしゃっていたので、これは観なければと、近くのシネコンへ。吹き替えしかなかったので吹き替えで観てまいりました~。めちゃくちゃおもしろかったです( ;∀;)
まずですね、この映画におけるバットマンというもののバットマンっぷりが本当に素晴らしくてですね。僕らが思う「こういうのってバットマンっぽいよね」という世間一般に認知されているバットマンっぽさを完璧に踏襲して素晴らしいバットマンになっているのです。レゴなのに!
まず序盤、ありえないくらいこれは無理だ!というゴッサムの危機を、バットマンがまじで超カッコよく敵を倒して、問題を解決して、特にノーランのバットマンには確実に不足していた「ヒーローとしてのバットマン」をこれでもかと見せてくれるんですよ。しかもこれあの傑作「レゴムービー」と同じ世界観の話なので、このレゴを動かしてるのは彼なのかな…なんてことを観てる側は頭にあるので、ちょっとありえないような活躍っぷりもとっても微笑ましく観れるのであります。
そして何より素晴らしかったのはこの戦いのあとの帰宅シーンなんですよね。もうね、この帰宅シーンにこそバットマンとはどんなやつか?、という我々のイメージをすごくおもしろく、ちょっとさみしく、完璧に描いたシークエンスで。ほんとうにここの帰宅シーンは今年ベストシーンのひとつでしたね。この帰宅シーンを見れただけでも1800円の価値は十二分にあります。
ヒーローとヴィランの関係性もうまくメタ的に描けていたのもおもしろかっです。ジョーカーに代表されるヴィランって実はヒーローと歪んだ恋愛関係にも見えるよな?というか。ジョーカーによるバットマンへの片思いですよ。この映画のヒロインは実はジョーカーだったというのもおもしろかったし、序盤でジョーカーがバットマンに「フラれる」ところのジョーカーのなんとも切ない表情も最高でした。バットマンにかまってほしい系ヴィランとしてのジョーカー、とてもよかったですし、そういえばそういう構造だよなと、納得しました。なるほどなぁ〜。
あと何と言ってもロビンですね。バットマンのトラウマってやっぱり家族の喪失だと思うんですけど、その喪失感とそこからの救いをここまでストレートに描いたバットマン映画も新鮮でしたし、よく考え抜かれたプロットだと思いました。家族を失ったバットマンが、一緒に戦い困難を乗り越えることで新たな疑似家族を手に入れる。ありそうでなかったバットマンでしたし、これもヴィランとの関係性の部分に続いてありそうでなかった、よくできた構造でしたね。ただ、残念だったのが、小島よしおさんの吹き替えで、基本的にめちゃくちゃハマってはいたんですが、どーーしても挟み込まれる「そんなの関係ねぇ」とか「オッパッピー」とかが、ノイズに感じました。あまり気にならなかったという意見も見ますし、まぁ人によるんでしょうが、僕はそこはどうしても気になってしまいましたので、ちょっとでも心配な人は字幕での鑑賞をオススメしたいかなぁと、僕は思いました(^_^;) しかし基本的には素晴らしい吹き替えでしたよ。
というわけで、レゴバットマンめちゃくちゃおもしろかったのでオススメです。バットマン映画として、新たな傑作誕生と言って間違いないと思います。あらゆる方向から見てもこの映画は良くできてる。戦慄!!!