【映画】「映画 クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。




※ちょっとだけネタバレあり


 
 


映画 クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃

 
鑑賞日:2016年4月19日
映画館:松江東宝5

 

 
 
好き度:★★★☆☆ 3.0/5.0点



脈絡のない感動げな展開にちょっとゲンナリ

 
 
ポンと仕事でお休みをいただいたので映画クレヨンしんちゃん2016を観てきました~。平日のお昼だったので子供連れのお母さん2組と僕1人という環境でゆったりと観れましたよ。感想としては、ちょっと残念だったかなぁという感じσ(^_^;)


今回の舞台は夢!

 

お馴染みのカスカベで集団で同じ夢を見るという事案が発生した!というお話でした。夢の中で突如現れた巨大な謎のサカナによってユメミーワールドという世界にやってきたしんのすけたちですが、そこでは誰もが見たい夢を見ることができるまさに夢のような夢世界がございました。しかし、その楽しい時間もつかの間、謎めいた転校生サキの出現により、人々は悪夢の世界に閉じ込められていく。そこで、カスカベ防衛隊の登場だ!という感じのお話でした。たしか。
 
前半はおもしろくて、ユメミーワールドの広がり方とか夢の可視化のアイディアにワクワクしましたよ~。今回のヒロインであるサキの不穏な存在感とお父さんとのなにやら怪しげな関係性は、後半どう回収してくれるんだろ?とかなりワクワクしたツカミの前半戦でした。


これは笑ったw

 


 
ただ、中盤過ぎたくらいからドッと話のペースがダウンしてきてテンポが悪くなっていきます~(>_<)ユメミーワールドに入っては出る、入っては出る、の繰り返しが何度か繰り返されるのですが同じ舞台だてでそれほど物語も転がっていかないのでちょっと苦痛なテンポ感に感じちゃいました…。夢の世界の広がりもイマイチ。
 
ただ、感心したのは「悪夢」の描写!これはとても禍々しくてよかったです!周りにいた子供達もちゃんとヒャッとトラウマになったんじゃないかなぁと思います。ちゃんと怖い、しんちゃんの世界での「悪夢」になってたと思いますよ!あと、今回は細かい単発のギャグは声を出して笑えたものがいくつもあって、これは劇団ひとりの仕事なのかな?と思います。


悪夢、良かったよ!

 


 
ただ、いちばんの不満点はそれこそ脚本に参加してる劇団ひとりが監督した「青天の霹靂」と同じようなことなんですよね。後半の話の決着は、名作クレイアニメ「パラノーマン ブライスホローの謎」を思い出す自己肯定のお話で夢というものを使ってミサエを送り込むという展開には、あぁそういう使い方をするかぁと感心はしたけど、それにしてもちょっとウェット方向に安直に流しすぎかなぁと感じちゃいました。それに、決着にこそユメミーワールドのイマジネーションが具現化する特性をフルに使って欲しかったのですが、それまでの流れや設定を使い切らないまま、力技で違うベクトルから「感動」をいきなり放り込んできた感じがして、そこが残念でした。「青天の霹靂」もそうだったんですよね。それまでの設定を使い切らずにまったく関係のない「感動げ」なもので後半の話をまとめてたなぁと、そんなことを思い出したりしました。
 

 


 
あと、今作のしんのすけがちょっと記号的すぎかなぁと感じたのも残念ポイントでしたね。これはクレしん映画の病理でもあると思うんですが今回は特に、理由もなく初めからしんちゃんが聖人として描かれすぎだと思いました。なんというか、血の通ってない感じがして、感動を作り出す道具のように見えたキャラクターになってたように思いました。

 
設定も面白いと思ったし、映画オリジナルのキャラクターも良かったので、もうちょっとうまく料理をすれば傑作になれたんじゃないかなぁと思います。残念!