【映画】「チャック・ノリス vs. 共産主義」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 


※ネタバレなし




チャック・ノリス vs. 共産主義
鑑賞日: 2016年4月13日
鑑賞法: Netflix

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 


好き度: ★★★★☆ 4.0/5.0点



「ビデオデッキには、夢がつまってた」



漫画家の古泉智浩さんがやってるポッドキャストで、カセット館の後藤さんが年間ベストテンに入れていた本作。話を聞いた時から観たいなぁと思っていたのですが、たまたまNetflixを徘徊していたら発見しましたので、観てみました。これが、素晴らしいドキュメンタリーでしたよ\(^o^)/ Netfilixに加入している人にはぜひ見ていただきたい!!軽くご紹介したいと思います。


チャック・ノリスが共産主義国で大暴れ!……っていう映画ではないです!

 

 




てなわけで、チャック・ノリスが大暴れする映画ではなく、ドキュメンタリーなのですが、ざっとあらすじを書いてみますね~。1980年代のルーマニアのお話でございます。当時のルーマニアはチャウシェスク政権による共産主義下で、映画など様々な娯楽文化が規制されてたらしいんですよね(僕ははじめて知りました…)。しかもテレビ番組ですら毎日2時間のプロバガンダ番組だけだったそうな…。そんな状況下で、アメリカ映画をVHSで観る(もちろん違法)という映画会を国民たちが国にばれないように密かに行っていたのです。。


ザ・80年代な映画がたーくさん出てきます

 

 

 




なぜ、そんな厳しい状況でなぜVHSでの映画会ができたのか?誰が流通させてたの?そしてなんとそのVHSは1人の女性の声のみで吹き替え音声が重ねてあるんですよ。「タクシードライバー」を観ててもデニーロの声もジョディ・フォスターの声もその女性の声で吹き替えがなされてるんです。その女性は誰なの?っていう謎解き的なパートと、厳しい情報統制の中で『映画』を見ることで映画から勇気をもらい、人々に希望が戻っていく様子が交互に描かれていきます。


映画を観てるのがばれたら即逮捕!でも、「観る」を選んだ国民たち!

 

 

 

 

 

 

 

 




この映画でいちばん良かったのは、なぜ人はそこまでして映画を見るのか、魅了されるのか、という映画のパワーみたいなものが極限状態ながらもキラキラと描かれるところです。さすがにこの映画に出てくる人々とは全然違う状況ですが、僕自身も4月から、東京からど田舎に引っ越したこともあって映画を見るというハードルがかなり上がったんですよね。なかなかみたい新作も入ってこないし。でもだからこそ見ることができる映画への集中度とありがたみが東京にいた時よりもガンガンに上がってるんですよね。何度も言いますが、この映画に出てくる人々と比べるのは申し訳ないほどですが、少なからず重なるところもありましたし、だからこそ今映画を当たり前に観れてる環境に感謝してこれからも映画を見ていこう!と思った次第。この映画に出てくる吹き替えの女性も、なぜ危険な仕事を受けたのかという質問に、「映画が観れるからよ」と答えてるのにもグッときました。

映画に限らず、芸術って今生きてる現実世界と戦う武器だと僕は思ってるんですよね。この映画に出てくる人々みたいに、チャック・ノリスを観て、ヴァンダムを観て、スタローンを観て、救われる瞬間があるんですよね。

そして、その映画という武器が現実世界を変える火種にも繋がっていくという映画が虚実を超えたところにもさらに感動がありました。

単純にこんなことがあったのか…とビックリな事実を知るだけでもおもしろいのでNetflixに加入されてる方は是非!