マネー・ショート 華麗なる大逆転
鑑賞日:2016年3月16日
映画館:TOHOシネマズ新宿
好き度: ★★★☆☆ 3.5/5.0点
「お前ら、自分たちが何に賭けてるのかわかってるのか?」
アダム・マッケイ新作、アカデミー脚色賞受賞作「マネーショート」観てきました(´∀`) 観ている間は連発される専門用語の数々に頭が混乱してまして、モヤモヤしつつもそれでもしっかりと楽しめる内容になってました。むしろ観た後に映画秘宝の岡本敦史さんの記事などを読んでもう一度あの時の金融界のお勉強をした結果いろいろと腑に落ちまして。あとから振り返って楽しめたタイプの映画でした~。
クリスチャン・ベイル、今までにないような役でした
家を買うと、まぁ借金をしてローンで少しずつ返していくわけですが、その住宅ローン債権を銀行が買い取ってMBS(不動産担保証券)として証券化したらしい。んでそのMBSに他の債権を複雑に組み合わせて加工したものがこの映画でいっぱい出てきた単語であるCDO(合成債務担保証券)とのこと。この辺をまったく無知で見たのでまずついていくの必死でした(´Д`) で、そのCDOを投資家が買うわけですね。CDOを買った投資家にお金が吸い上げられてガッポガポとお金が発生してた模様。すると貸し手からすれば、銀行がそんなに買ってくれるなら!と金のないビンボー人をうまいことだまくらかして高い家の購入を進めて高額のローンを組ませる。となると当然多額債権が生まれるわけで、、それをMBS,CDOにして右から左にドバドバ売りまくってたんだって~。これがサブプライムローンの仕組みで、この辺は俺の嫁ことマーゴット・ロビー嬢が説明してたらしいんだけど、泡風呂に入ってるマーゴット・ロビーに夢中で見事に字幕を見逃しました!(゚∀゚)
この辺のお勉強は今月の映画秘宝の岡本敦史さんの記事が非常にタメになりました!おすすめ!
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スティーヴ・カレルは常に激オコ
てなわけで、映画秘宝を読みながらシステムをまとめてみてても普通に怖いシステムだなぁなんてことがわかるわけですけど、この映画の怖いところは誰もこのシステムがヤバイものだとはわかってない、安全安心のシステムであると疑ってないところ。まさに僕なんかも今勉強して知ったわけで、、その場に僕がいたら普通にうまいこと家を買わされていた自信があるくらい。ともかく安心安全で当たり前だと思ってたシステムが実はそうではなかった!と、そう気づいたときにはもう遅い…というどうしようもない虚無感がありましたな。
ゴズ兄のナレーションで映画は進んでいきました
そんでもって、なんやかんやありまして、サブプライムローンやばくね?って気づいたポスターの4人+2人がCDOが吹っ飛んだとき用の保険であるCDSを買い占めて大儲け!やったぜ!大逆転だ!!…という話にはならないところに、アダム・マッケイの誠意を感じたりしました。華麗なる大逆転なんていう邦題は間違ってはいないんだけど、そんな楽天的な話ではなく、数字は読めても大きな巨大な流れは止めることはできず、多くの人々の悲劇が代償であるという、ラストの味わいはとてもビターで、この辺は好みのバランスでした。気づいたときにはもう遅くて、当然と思われていた流れに乗ってしまったら最後、もう降りることはできないという怖さがあった。まったく違う話だけど「悪の法則」的だなぁとか思ったり。
自身のプロデュース作でいい感じのチョイ役で登場するブラピ。「それでも夜が明ける」もそうだったな
てなわけで、凡人の私にとっては超ホラー映画で、おもしろかったです。間違いなく観てよかった映画でしたよ~!こんな難しいお話をしっかりとしたエンタメに仕上げて、勉強にもなって、アダム・マッケイ恐るべし!な映画でした。
個人的にアダム・マッケイ作品ベストは「俺たちステップブラザーズ」でございます(´∀`)
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おわり