DOGLEGS
鑑賞日:2016年3月6日
映画館:ポレポレ東中野
好き度:★★★★☆ 4.5/5.0点
リングでしか、共有できない「何か」
ポレポレ東中野で、障害者プロレス団体「DOGLEGS」を追ったドキュメンタリーを見てきました。いろんな気持ちが交錯して、簡単な言葉では片付けられない映画でした。とにかく凄いものを観たなぁという感じ。
健常者も障害者も本気でぶつかりあいます
健常者も障害者も本気でぶつかりあいます
ボランティア界のヒトラーことアンチテーゼ北島と、引退宣言をしたDOGLEGSのスター選手サンボ慎太郎の戦いと関係性を軸としたお話。慎太郎、北島のほかにも、女装癖があり、重度のアルコール中毒のレスラー・愛人(ラマン)、その妻・ミセス愛人(ミセスラマン)、うつ病&ガンのヘルパーなどさまざまな人々が様々な思いを抱えながらリングで戦うのです…。
ほんと、キワキワのところにあるものだと思うんですよね。「愛のない正論」を振りかざせば「こんなものは正しくない」とされかねない。それほど、かなりファイトシーンはすごくて、障害者をボコボコにする健常者という構図だけを取り出せば、そう感じかねないとも思います。でも、それでもリングに上がる障害者サンボ慎太郎と、そこに容赦なく拳をぶち込むアンチテーゼ北島。たしかにファイトシーンは、ビジュアル的にキツイシーンもけっこうあるのも正直なところでした。何度かボコボコにされるサンボ慎太郎から目をそらしてしまった。。これは、あんまり僕が格闘技を見ないから、とかじゃなくて、です。
「愛のない正論」についてはこちらを合わせてお聞きください。
でも、いくら外から「愛のない正論」を振りかざしたところで、彼らにはリングでしか分からないこと、リングでしか分かり合えないものがあって、言語ではなく身体で通じあっているその「何か」がぶつかり合うんですよね。最後の試合シーンなんかはなにか崇高なものを見ているような気持ちになりました。よく、「魂のぶつかり合い」なんて言葉をよく聞きますけど、これぞまさに「魂のぶつかり合い」だなぁと、やっぱり涙がでてきました。でもやはり、この涙は安易に「感動」なんてものではなくて、、う~ん言語化しずらい…。アンチテーゼ北島とサンボ慎太郎が共有しているその「何か」は当然、リングにすら上がってない外野の僕たちには分かるはずはなく、そしてだからこそそれはとても崇高で美しく見えました。それでもリングに上がらざるを得ない男たちという意味では、、ダーレン・アロノフスキーの傑作「レスラー」を思い起こしたりしたくらい。あと、最後のバトルなんかは「セッション」のラストシーンの精神性にもかなり近いものを感じました。当然ですがアンチテーゼ北島がフレッチャーです。
正しい、正しくないってことを俺たちは言える立場なのか?ってことなんですよね。リングに立ってない俺たちが。
撮影の素晴らしさも相まってめちゃくちゃ絵になるんですよね。この2人の戦いは。
「愛のない正論」についてはこちらを合わせてお聞きください。
でも、いくら外から「愛のない正論」を振りかざしたところで、彼らにはリングでしか分からないこと、リングでしか分かり合えないものがあって、言語ではなく身体で通じあっているその「何か」がぶつかり合うんですよね。最後の試合シーンなんかはなにか崇高なものを見ているような気持ちになりました。よく、「魂のぶつかり合い」なんて言葉をよく聞きますけど、これぞまさに「魂のぶつかり合い」だなぁと、やっぱり涙がでてきました。でもやはり、この涙は安易に「感動」なんてものではなくて、、う~ん言語化しずらい…。アンチテーゼ北島とサンボ慎太郎が共有しているその「何か」は当然、リングにすら上がってない外野の僕たちには分かるはずはなく、そしてだからこそそれはとても崇高で美しく見えました。それでもリングに上がらざるを得ない男たちという意味では、、ダーレン・アロノフスキーの傑作「レスラー」を思い起こしたりしたくらい。あと、最後のバトルなんかは「セッション」のラストシーンの精神性にもかなり近いものを感じました。当然ですがアンチテーゼ北島がフレッチャーです。
正しい、正しくないってことを俺たちは言える立場なのか?ってことなんですよね。リングに立ってない俺たちが。
撮影の素晴らしさも相まってめちゃくちゃ絵になるんですよね。この2人の戦いは。
アンチテーゼ北島が劇中でその関係性をSMに例えるけど、確かに納得。この関係性は歪んだ、でも確かな恋愛映画ともとれるなぁと思います。でも共依存ではなく、どちらかというとアンチテーゼ北島が背負うものはあまりにも大きい気がしなくもないですが、それも含めて引き受けてる感が切なくもカッコよく、美しかったです。
DOGLEGSのチーム感やそれぞれのメンバーの人間性の豊かさ、特にサンボ慎太郎の愛嬌はスター性を感じさせるものがあったなぁ~。
とにかく、まったく知識のなかったDOGLEGSでしたが、観てよかったなぁと思いました!ただの感動ではなくて、何とも言えない言語化できない感動があって、そりゃぁ言語化できないわな。だって僕はリングに立ってないから。
それでもリングに立ち続けるファイターたちには敬意を表するほかない!
素晴らしかったです。