スティーブ・ジョブズ
鑑賞日:2016年2月21日
映画館:TOHOシネマズ六本木
好き度: ★★★☆☆ 3.5/5.0点
ジョブズさん、けっこう嫌な奴だったんだね!
嫌いなダニー・ボイル監督作であり、大好きなアーロン・ソーキン脚本作「スティーブ・ジョブズ」。おもしろかったですが、ちょっと消化不良感もあり…という感じでした。
ジョブズ役は巨根でお馴染みファスベンダーさんです。
各年代のジョブズにとってキーとなる製作発表会の舞台裏40前~舞台登壇までを40分ずつ×3で120分の映画で構成するという作りがとても新鮮でおもしろかったし、さすがアーロン・ソーキン!と言わざるを得ない会話劇としての強度はさすがなものがありました。各年代の舞台裏だけを40分ずつ繋いでるのにしっかりジョブズの周りの人々との関係性やそれぞれの人間性が見えてきて、さらに関係性の変化までもしっかりと描き込めているのがすごかったです。
我らがセス・ローゲンも出てるよ!
アーロン・ソーキン脚本の「ソーシャルネットワーク」がそうであったように、これは伝記映画ではなく、ひとりの孤独な天才、もっというと天才だけど人でなしのクソ野郎のお話で、その悲哀を味わう映画であって、ジョブズの功績やappleの歴史なんかは作品のテーマ上そこまで重要ではないタイプの映画ですよね。
最近のアーロン・ソーキン作品の主人公は人間性にけっこう一貫性があるけど、今回はけっこう度が超えてひとでなしで、かなーりシニカルにジョブズを切り取ってるのがおもしろかったですが、、、あまりにジョブズの描きこみがキツすぎて最後の救いなんかもちょっと取って付けたように見えてしまったりもしました。思ってたよりも着地が安易だったというか、直線的だったなぁという印象。「ソーシャルネットワーク」と比べるのもどうかなぁと思いつつも、あのラストの視点の反転からくる悲しき感動には及ばないかなぁと思ったりもした。構造上の違いもあるだろうけど…
父と娘の話にけっこう安直に落ち着いたな~なんて思ったり
あと、やっぱり時折挟み込まれるダニー・ボイルの映像的チャラつきが、今回はかなり抑えてるものの、けっこうノイズなところも多かった。あと、せっかくこの新鮮な構造なんだから回想シーンはなしで、この舞台立てだけで、押し切って欲しかった感はあり。とは言うものの、やっぱかなりの見応えで、120分ビンビンに集中して楽しく見ることができました!
おわり