クリムゾン・ピーク
鑑賞日: 2016年1月9日
映画館: TOHOシネマズシャンテ
好き度: ★★★☆☆ 3.5/5.0点
肉切包丁を振り回す鬼姉 VS シャベルで対抗!!心霊女作家 in 恐怖の館!!
デルトロ新作!!ゴシックホラーと聞いていたけど、軸はゴシックロマンスという感じでしたね。デルトロ作品としては作品の出来自体はいちばん良くない部類だとは思うんだけど、デルトロのオタク性がやっぱかなり濃厚に出てて、歪な出来だけど、しっかり楽しめたように思います。なんというか、いろいろ大味なのがおもしろポイントでした。
主人公は我らがミアちゃん!女流心霊作家の箱入り娘でございます。
美術はとにかく素晴らしかったですね~。屋敷は細部まで作り込みが美しくでもボロボロで不潔で不気味、意味がわからなかったクリムゾンピークという言葉だったけどなるほどと納得な赤土と雪のコントラスト、すごく美しくキモくてよかった!幽霊のビジュアルはデルトロ製作の「MAMA」に近く、アナログなビジュアルと幽霊が当たり前にそこにいるという世界観はデルトロ的でよかったです。ただ出し方はあまりに情緒がなくほんとドンッとくるんでね。ぶっちゃけそんなにホラー的には怖くないです。
ビジュアルは超キモいですが、演出が…
正直前半はあんまり新鮮味もなくゆっくりとした作りなんだけど、後半、鬼姉こと俺たちのジェシカ・チャスティン嬢がスパークしてからお話が一気におもしろくなるんですよ!ジェシカ・チャスティンって今までしっかりした人間味あるキャラクターを演じてきて真面目な役が多かったけど、映画後半で恐怖冷血残虐サイコパス近親相姦鬼姉へと覚醒し、ジェシカ・チャスティンとは思えないギャーギャー発狂しながら刃物を振り回し、ナイフで愛してた弟の顔面を突き刺し、アホみたいにデカい肉切包丁を振り回すという素晴らしくバカなビジュアルを披露してくれます!そこがこの映画の最高の瞬間でした。
なんか怖いよ~このお姉さん…なんて思っていたら、、
やっぱり怖かった~!!
それに対抗するミア・ワシコウスカもすごかったのが意外な展開!愛する夫が姉とセックスしてるところを目撃&連続殺人結婚詐欺師だったことを知り、かつ夫を義姉に殺されることで、こちらも覚醒!父からもらった万年筆で義姉をひと刺し、武器は万年筆から包丁へ切り替え、最後はシャベルに!おたがいに愛する男を失った未亡人同士のシャベルVS肉切包丁の殺し合いに突入というすごい映画になっておりました。正直想像してたおもしろさの斜め上をいってました。それまでの流れとか拾われそうな伏線とかあったはずなんだけどなぁとか、いろいろ気になるところはあったんだけど、この最後の強烈な女同士の戦いで吹っ飛んだ。そんな映画でした。
美しいんだけど不潔っていうバランスは新鮮でしたね
まぁというわけで、ジェシカ・チャステインとミア・ワシコウスカの戦いという見どころはすごく好きでしたが、全体的にはそんなにおもしろくはなかったかなぁという映画でした。デル・トロ作品では一番微妙なデキだと思います。まぁでも、シャベルと肉切り包丁ですからね!嫌いと言えばうそになります。