【映画】「WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

そーす太郎の映画感想文

しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 

 


WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT
鑑賞日: 2015年11月9日
映画館: TOHOシネマズ渋谷

 

 

 

 

 

 




好き度: 4.5/5.0点


圧倒的多幸感とポジティブさ


まず僕とPerfumeの距離感ですが、ライムスター宇多丸さんのアイドルソング批評の連載「マブ論」で知って(たしか中学2~3年のときだったはず)、名盤「GAME」ちょい前の2007年くらいから楽曲は全部追ってる感じの距離感でございます。つまり、はい、ファンです(・∀・)

てなわけでこのドキュメンタリーとても楽しみにしてたけど、これがほんと素晴らしかった!!!

つくりはとてもシンプルで真摯なつくりだと思いました。perfume個人個人にフォーカスして人間としてのPerfumeを見せるというよりは徹底して仕事人としてのPerfumeを見せるバランスで、このバランスがPerfumeにはとても合ってると思いました。あくまで、仕事人としてのPerfumeを追いつつもそこをはみ出してくるPerfume特有のアイドル性と人間味がやっぱりPerfumeとしか言いようのないもので、どんなにデカくなっていってもなんとも言えぬ安心感と親しみやすさが変わらないのはそこなのかなぁと改めて思いました。
 

 

 

 

 

 


地道に自分たちのスタイルを信じて努力して、それが報われて、どんどん進化していく姿は見ていてとても気持ちがいい。とにかく映画全体、ネガティブなものは一切出てこず、徹底したポジティブさというか陽性のパワーで走り抜けてく感じがものすごく「らしいな」と思います。傑作ドキュメンタリーであったDocumentary of AKB48 2作目が「ダークナイト」的な感動であったとするなら、こちらは「アイアンマン」的というかマーベル系の感動という感じ。

最後世界ツアーを成し遂げ、それを「MY COLOR」をバックにダイジェスト的に見せてくとこは泣いた。まさか、今年泣いた唯一の映画がこの映画だとは思わなかった。笑 

広島のローカルアイドルからはじまったアイドルがいまや世界中の人々を魅了している事実とこの「MY COLOR」の多重的にいろいろ読み取れる素晴らしい歌詞、うれしそうなお客さんの顔、そしてもっとうれしそうなPerfumeの顔、涙せざるを得ませんでした。

とりあえず貼っておきます「MY COLOR」でござい。名曲!


映画はほんとツアーを追ってくシンプルなつくりなんだけど、その会場ごとでいろいろな課題が出てきて、それをチームプレーとたゆまぬKUFUでステージングをブラッシュアップしていく過程がけっこう整理されて見せてくれて、とても、見やすかったです。特にやっぱりMIKIKO先生の偉大さはほんとによく伝わったし、メンバー発信でいろいろな演出の変更点が出てくるあたり、そしてそれを受け止めるチームプレー。その変更点がビシッと決まった「ワンルームディスコ」のところはすごいカタルシスがありました。

あと、もうこれを言っちゃあおしまいかもしれませんがとにかくPerfume3人がとにかっく魅力的すぎるからそれを見てるだけでとてつもない多幸感で包まれておりまして、巷ではちょっと構成が淡泊で長い!なんていう意見もあるみたいですが、もうねこちらがわとしては短いくらいでwいつまでも観ていたい…と思わざるを得なかったのです。Perfumeがそれぞれ5億点持ってるから×3で15億点からのスタートなわけで…、まぁとにかく最高だったということが言いたい、それだけでございます。


まじでいつまでも観ていたい。。

 

 

 

 



よく、Perfumeはアイドルかアーティストか、と言われるけど、やっぱりPerfumeはアイドルだと思うんですよね。「地方アイドルがここまでいける!」というアイドルが行き着く最終到達点としていて欲しいし、それをリアルタイムでどんどん更新していってほしい。まだ見ぬ風景を見せてほしい。そしてそれをリアルタイムで見れてる感動はすさまじいものがあります。ただ好きなだけじゃねえか!と言われればそれまでですが、この映画の存在価値はそのとてつもないところに行くであろうPerfumeのその過程を見せてくれたという点において、個人的にはとてつもない価値があると思うし、この映画の価値は今後どんどん高まっていくんじゃないかなぁと思います。

ちなみに、BUBKA「マブ論」での宇多丸師匠の「GAME」(Perfumeが初めてオリコン1位を獲得したアルバム)の批評がほんっと名文なので載せておきます。今、改めてこの時の文章を読むと本当に感慨深い!!宇多丸師匠のマブ論のなかでもこの「GAME」評は過去最高に熱量とそれまでのストーリーが合致した最高の名文だと思っております。

きっと、ここが新たな始まりだ -- Perfume『GAME』
 特にパフュームを手掛けるときにこそ際立つ中田ヤスタカ氏のプロデュース手腕に舌を巻き、「ぜひこの体制でフル・アルバムを!」と初めて書いたのが、04年11月号の『ビタミンドロップ』レビュー。

 いや、その例に限らず、これぞという対象に出会うたび、私はいつも、「この流れでアルバム出して」というようなことを、繰り返し訴えてきた気がします。しかし、こと(この期間の)アイドルソングというジャンルでは、その程度の希望が実現すること自体、稀な方だったと言わざるを得ない。まして、「コンセプトの一貫性」とかは、ほぼ望むべくもない話だったわけです。

 『Perfume~Complete Best~』(06年10月号)でさえ、制作形態そのものは決して"ベスト"とは言い難い作品であったことを考えれば、8年間の連載を通じて私が真に全面的な満点評価を下したアルバムは、唯一、松浦亜弥『FirstKiss』(02年3月号)のみ、ということになってしまうかも……(05年5月号の片瀬那奈は5マブだがベスト盤だし、辛うじて04年5月号のプリエールが4.5マブ、99年まで遡れば初期ハロプロの名盤がいくつか加わることになるでしょうが)。

 そうした前提で、この、本当に待ちに待ったパフューム初のオリジナル・フル・アルバム『GAME』に触れるとき。私にはもう、ただひたすら、「こんなことが、現実に起こるなんて……」的な驚嘆の念しか湧いてこない、というのが正直なところなのです。

 ここには、もはや何の遠慮もなくブーブーと重低音を鳴り響かせる(ほとんど無邪気とも言えるくらい)「世界水準の」ダンス・ミュージック、同時代的ポップとしての、音楽的強度がある。と同時に、日本型アイドルという形式を通じてこそ表現され得る、儚くも愛おしい多幸感が、それでいて、その構造をメタ的な視線で相対化してみせる冷徹な批評性、ユーモアと知性がある(例えば『シークレットシークレット』の、背筋も凍る名曲ぶり!)。

 加えて、そもそもは一介の「地方限定女性アイドルグループ」であった以上、当然のようにハンディだらけだったはずの道のりを、それでも何とか歩み続けてきた彼女たち、自身の口から発せられるからこそ巨大な感動を呼ぶ、成功の「物語」がある。そして、それらすべてを、的確なタイミングと技術で現代的日本語詞に乗せる、センスがある。

 レイドバックしたミディアムからキャッチーなロックまで、十八番の四つ打ち以外の新たな引き出しを示してみせる一方、歌詞の極端に少ない非アイドル的(≒純クラブ的)ナンバーを半ばスキット風に挟み込みつつ、抵抗不能な美メロ・チューンを要所に配する、トータルで考えられたバランスがある。アートワーク、振り付けと、相変わらず高いレベルでの、ビジュアル面との連動がある。無論『Complete Best』の比ではないほど絞れた、全体の焦点がある。

  さらに付け足すなら、今や多くの人々が認知するところとなった彼女たち本人のキャラクター的魅力、それを含めた、圧倒的な「時代」の支持がある--あまつさえ、ついにオリコンの頂点を極める(4月15日付デイリーランキング初登場1位)という、これ以上ない商業的成果までもが、すでにここにはある! これを「夢のようだ」と言わずして、何と言うのか。

 まずはこのアルバムが、アイドルのみならず、日本のポップ・ミュージックの新しい基準になればいい、と思います。ここからまた何かが始まる、と信じたい。




映画を観た後だと、ほんっと感慨深くなりますね。これからもどんどん上へ上へ上り続けてほしいと思います。

最後に個人的に好きな曲BEST3を発表しておわりにします。「CUPSULE」がもともとすごく好きなのでさらにポップに開かれたPerfume楽曲はもちろんドストライクなわけですが、中田ヤスタカさんの魅力はやっぱその歌詞ですね。俺たちの理想的な乙女像を見事に描きこんだ、つんく♂さんとも違う、秋元康さんとも違う、中田ヤスタカ楽曲にしかない乙女像がたまらなく好きなのです。


第5位 「spending all my time」

ループ感が最高。申し訳ないとで爆音で聞いた時のトリップ感はすごいものがありました。



第4位 「マカロニ」

ライムスターに「ちょうどいい」という名曲がありますが、これの乙女版といいますか。つまりは理想的な恋愛ソングだなぁと。この季節にはピッタリ。



第3位 「シークレットシークレット」

宇多丸師匠がPVに出演していることでもおなじみのこの曲。曲、アレンジ、歌詞とすべてが最高としか言いようがない傑作だと思います。



第2位 「微かなカオリ」

ナチュラル路線の最高傑作だと思っております。ナチュラルだけど、しっかりヤスタカ色を残しつつ、アレンジがとにかく上品。歌詞はさすがとしかいいようがないキュン死に物件。



第1位 「ワンルーム・ディスコ」

この曲は地方出身の上京者にとってはグッとこざるを得ず。死ぬほど聞いた。イントロのアホかってくらいのバキバキさから、分厚い音にかわいいポップな歌詞と声、やっぱりリリース時から変わらずのベスト1ソング。