ファンタスティック・フォー
鑑賞日: 2015年10月12日
映画館: TOHOシネマズ新宿
好き度: ★★☆☆☆ 2.5/5.0点
「クロニクル」のジョシュ・トランクの新作。製作システムの崩壊とか、アメリカでの大コケ&酷評の嵐とか様々な噂が聞こえてきてた本作。
たしかにすごくイビツな形の映画だった。丸々展開が抜け落ちてるようなシーンや大人の事情というやつが一気に溢れ出してくるクライマックスなど、残念ながら製作のゴタゴタはもろに作品に影響してることがわかる映画になっていた。物語が紡がれていく過程がおざなりだし、なによりヒーロー映画、ファンタスティック映画に必要なカタルシスがまったく感じられなかった、というかまったく無かったのが残念だった。
でも、ジョシュ・トランクの作家性は確実に刻印されていて(特に前半~中盤)、魅力的なところもあったし、これだけでジョシュ・トランクが映画を撮れなくなるのはちょっと可哀想というか勿体無い感じはする。ともかく、ファンタスティックフォーというこの企画でこれをやったのが間違いだったんだろうなぁと思う。クローネンバーグを意識した歪な超能力映画はそりゃマーベルではムリだろ(笑)ジョシュ・トランクの作家性と製作側のオトナの事情がガッツリ衝突したんだなぁっていうのが目で見てわかるレベルでフィルムに残ってるのがすごい!
折り合いって大事だな、再確認する映画だった。
前半の雰囲気のままオリジナルで暗い歪な青春超能力映画は観たいし、ジョシュ・トランクにはほんと頑張ってほしい!
ピッチ・パーフェクト2
鑑賞日: 2015年10月16日
映画館: TOHOシネマズ渋谷
好き度: ★★☆☆☆ 2.0/5.0点
残念な続編だった。
お話はシーン単位ではおもしろいんだけど、どうもブツ切りな印象でお話がドライブしていかない。葛藤と成長の描きこみがフワッとしてて、各エピソードの過程と結末が曖昧に処理されてるため、ラストのカタルシスがないのが残念。最後のアカペラにお話がしゅうれんしないもどかしさがあった。
ベラーズも1でやった成長をまた繰り返してるだけのように見えたし、音楽的に幅があって楽しかった前作とは逆で終始四つ打ちのEDM中心で代わり映えせずつまらなかった。
ラストでああいう大円団を迎えたいなら間違いなくテーマは世代間の音楽観のちがいをテーマにすべきだった気がする。せっかく自分より若い後輩を入れたのに生かしきれてないし、最後のパイセン大集合はあまりに突飛。迫力はあるけど物語的になんの描きこみがないからカタルシスは無かった。
全体的にとっ散らかってて、しっかりテーマを練り込むべきだった気がする。残念。
強くなるために合宿だ!っていう展開は大好きだけど、そこで精神的なもの以外に具体的な技術面での成長を描かないと意味がないと思う。無駄なシーンが多かったし、何度も繰り返すけどなぜ勝てたのかなぜ成長できたかの過程がおざなりだったのが最大の失敗理由だと思う。