【映画】「岸辺の旅」「バクマン。」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 


岸辺の旅
鑑賞日: 2015年10月3日
映画館: ヒューマントラストシネマ渋谷

 

 

 

 




好き度: ★★★★☆ 4.0/5.0点


黒沢清の新作。黒沢清が考える死生観がとてもおもしろかった。

ヒューマンドラマであり、ホームドラマだけど、そこは「トウキョウソナタ」同様、ドキッとするホラー的描写や暗闇の使い方は黒沢節炸裂で温かいシーンも常にホラー映画的な緊張感があってとても気持ちのいい居心地の悪さというか違和感があって最高だった。

「死者」と「生者」がそれぞれ一線を越えるセックスシーンは特に緊張感があり、超えてしかるべき一線であり同時に絶対に超えてはいけない一線なのかもしれないと思わせる、確実にこの後は終わりが待ってるんだな…と思わせる、不思議な感覚になるセックスシーンだった。

死者は生者以上に生者であり、生者は死者よりも死者的なのかもしれないと、三宅隆太監督のよく言ういわゆる「心霊映画」の本質に迫るような映画だった。「生きていても心霊」であり、クライマックスでしっかりと決別した深津絵里は死者的な生者から真の生者に戻ることができた、まごうことなきハッピーエンドだと思った。





バクマン。
鑑賞日: 2015年10月7日
映画館: TOHOシネマズ新宿

 


好き度: ★★★★☆ 4.0/5.0点


大根監督の新作。おもしろかった!

まっとうな青春映画であり、映像的に新しい新鮮な要素で魅せ、原作およびジャンプへのリスペクトを忘れず、そして小松菜奈が可愛かったという、とてもいい映画だった。

映画を見ていて、しかも邦画で、「あ、これ3Dで観たいな」と思ったのは初めてのことだった。それほど、劇映画では斬新なVFXの使い方、それの日常への溶け込ませ方、または飛躍した描写など、まず映像的に魅力的で新鮮なところが多かったわけで、これは「映画化」という企画がまちがいなく成功してる点だと思う。

そして小松菜奈が可愛かった。

音楽が、主題歌だけでなく劇伴もサカナクションがやっていて、これがとてもよかった。サカナクションのサウンドが違和感なく映画に盛り込まれてて、エンドクレジットで知って驚いたほどだった。

そして小松菜奈が可愛かった。

全体の流れがまんまスラムダンクオマージュなところもとても良かった。「友情、努力、勝利」のジャンプだが、この映画自体がそれを実行していてほんとうまくまとまっていると思う。エンドロールまでもジャンプへのリスペクトを感じてグッときたし、ラスト周辺の圧倒的にかなわない敵を前にしてのあの涙と筆を入れられた時の屈辱感、圧倒的敗北感がよかった。その指摘が的確なだけに。でも、それを含みつつ、ラストは未来に開かれた形で終わるというのが、これこそまっとうな青春映画たりえている所以だと思う。

そして小松菜奈が可愛かった。

こういう映画こそ海外に積極的に出すべきだと思う。

そして小松菜奈が可愛かった。