フレンチアルプスで起きたこと
鑑賞日: 2015年7月17日(金)
映画館: ヒューマントラストシネマ有楽町
好き度: ★★★★☆ 4.0/5.0点
フレンチアルプスじゃなくてもぼくたちにも起きうること
町山さんがラジオで紹介していて気になっていたので、友達男女4人で観に行ってきました。これが無類におもしろかった!倦怠期夫婦映画に新たなる一本が加わったなぁーと嬉しい気持ち。
はじめの家族写真を撮るシーンから、スキーに至るまでのシーンで、「あれ?この家族、もうすでに…」という感じをビンビン微妙な表情や演出で伝えてきておいてからの、雪崩シーンでの父親の失態。ここまでの流れがとてもよかったです。何気ないシーンでギコギコとかガタガタとか不穏な音使いが常になされてる感じがまたいやらしいところw
雪崩の一件が起きてからはもうずーっとニヤニヤしながら見てました。どうしてこうも人間の微妙なギスギス感を見るのは楽しいのか、それは確実に僕が結婚してないからだなと思いつつw
奥さんの平静を装いつつもグイグイ笑顔でdisっていくスタイルと、それをごまかす(というか現実を信じたくない)夫のスタイル、どちらも爆笑もので最高でした。途中に出てくるヒゲもじゃ男と女の子のカップルはお話としては必要性は感じなかったものの、四人での会食シーンのハンパなき気まずさ演出となんといってもオフビートながらコメディリリーフとしては素晴らしかったですね。夫に関してはずっと、イライラしながら見てたけど泣き崩れるシーンの間抜けさはとても悲しいものがあり、そのあとの子供たちががきて「パパー」といって抱きつくところとその時の妻の顔が最高に嫌そうな顔をしていて最高に笑いました。
この家族はどう修復するのか、、これが最終的に「演技」で表面上は少なくとも父親としての威厳を保つというのはまぬけながらも子供に対する優しさを感じたし、妻もえらいと思う。「演技」でおわるというのはこれも倦怠期夫婦映画の傑作だった「ビフォアミッドナイト」に似てるなぁと思いました。あと子供の視線があり、夫婦は何より子供を一番に思っていそうなあたりは「ブルーバレンタイン」よりは大人な夫婦だとも。
でも、修復はあくまで表面上で、決定的に夫としての信頼はなくしている。でも、夫はそれに気づかず勘違いしている。という2点をうまーくとらえたラストシーンは見事!!娘を抱っこしてるのはだれかな?夫よ、気づけ…!!
おわり