【映画】「海にかかる霧」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

そーす太郎の映画感想文

しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 


海にかかる霧
鑑賞日: 2015年5月6日
映画館: TOHOシネマズ六本木

 

 

 

 

 




原題: 海霧 Haemoo
製作年/国: 2014年/韓国
配給: ツイン
上映時間: 111分
監督: シム・ソンボ
製作: ポン・ジュノ、チョ・ヌンヨン、キム・テワン
製作総指揮: キム・ウテク
脚本: シム・ソンボ、ポン・ジュノ
撮影: ホン・ギョンピョ
あらすじ: 漁船で人々がとち狂います。

----------------------------------------


好き度: ★★★★★ 5.0/5.0点



極限状態に置かれた人間の怖さ



ポン・ジュノ製作、脚本。殺人の追憶の脚本家であるシム・ソンボが監督ということで超期待していったら、その期待をすんなり越えてきた傑作だったし、個人的には好きな要素だらけの映画で今年のベスト級の一本になりました。
 

 

 

 

 


 

 


イーライ・ロスが作りそうな映画だなぁと思ったくらい、とにかく魅力なのは極限状態に置かれた人間の怖さと醜さ、しかもそれがすべて船の上で起こる密室劇であるということがほんとおもしろかったです。剥き出しになったバイオレンスと性欲で人が狂って行く様がとにかく素晴らしいし、今回も俺たちのキムユンソクが鈍器を振り回して大暴れで最高。様々な予測不能な事態がなんの前触れもなく唐突に起こる不条理性もすげぇよくて、唐突だ・性急だという意見もあるけど僕はむしろそこが魅力だと思います。

 

 



そしてもうひとつよかったのは男という生物のどうしようもなさというか、しょうもなさを描いているところだと思うのです。船の上でのことはもちろん、ハッピーエンドに見えたラストに至ってもすごいシニカルなラストが待ってて、蛇足に見えたラスト数分だったけどよく考えるとテーマはここだったというか、男という生物のしょうもなさこそがテーマだったんだと気付かされたラストシーンで思い返すたびにどんどん好きになっていくラストシーンでした。ラストカットの殺人の追憶的な余韻感も含めさすが。
 

 



僕は詳しくないけどよく聞くと主演の男の子は韓国のトップアイドルだとか。こんなテーマの作品をアイドル映画にできちゃう韓国映画の豊かな土壌は羨ましい限りです。ちゃんと童貞が男になる厳しく苦い通過儀礼のお話にまとめてるのもさすが。 とにかく言えるのは、「やっぱりポンジュノ恐ろしや!」ということ。今年ベスト級のバイオレンスムービーだった!


おわり