「怪しい彼女」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。








怪しい彼女
7月11日(金) 13:25~ TOHOシネマズみゆき座




好き度:: ★★★☆☆ 3/5点



シム・ウンギョンちゃんはすげぇ女優だな!




僕が今、タマフルの次に好きなコンテンツ、WOWOWぷらすとのみなさんが非常に推していたり、町山さんや花くま先生など信頼できる方々の推薦コメントがあったので、みゆき座に行ってきました!とてもカワイイ映画でした(´∀`)

この映画、『トガニ 幼き瞳の告発』のファン・ドンヒョク監督なんですよ。前作とは180度違うテンションの映画で、しかもどちらもものすごくうまくできてる映画で、本当に腕のある監督さんなんだなぁと思いましたよね。主演は『サニー 永遠の仲間たち』のシム・ウンギョンちゃん、今回も彼女の魅力が大爆発していて、アイドル映画としても素晴らしいと思います!

シム・ウンギョン最高



おばあちゃんが、いきなり二十歳になっちゃった!という映画なんですが、カルチャーギャップコメディというか、ギェネレーションギャップコメディで、まぁベタなんだけどしっかりやってるからちゃんと面白いんですよね。ベタをなめちゃいけませんな。

とにかくこのババアがですね、すっげぇムカつくんですよ。口は悪いし、すぐディスるし、悪態つきまくってて、ほんと嫌なババア。




そんなババアが自分が原因で息子の嫁さんが自殺未遂しちゃいましてね、さすがのババアもガチ凹みですわ。そんなところに現れたある写真館、そこで遺影を撮ろうとトガニのクソ校長を演じたあのおじさんがパシャッと撮影をするとなんと20歳に若返っちゃいました~。的なカンジからスタート。

町山さんのコメントにもあるように全編通して『ローマの休日』のパロディになっていて、それは表面的なものではなく、ちゃんと精神性も『ローマの休日』になってるのがやっぱ腕あるなぁこの監督さんと感じるところ。若返るキッカケもオードリー・ヘップバーンだったり、名前がオ・ドゥリだったりw あと、こっちはババアだけど、ちゃんとイニシエーションものになってるというか、ニュアンスはちょっと違うけど自分の役割というものを再認識し一回り成長する映画になっていました。

あと、素晴らしかったのが、「アイドル映画」であるというところ。とにかく、LIVEシーンが素晴らしい。アイドルが歌い踊る、そしてそれにまわりの人々が魅了されるというプロセスにものすごく説得力があるんですよね。映画内で音楽のLIVEシーンに説得力をもたせるのは難しいことだと思うんだけど、それをなんなくクリアしてカタルシスがしっかりある、それをすべて体現したシム・ウンギョンにはあっぱれです。

小さいころから声楽をやってたらしく、歌には自信があったとか。




ウェルメイドなカワイイコメディなんですが、やっぱ伊達にトガニの監督じゃないというか、しっかり社会派なところもあったのがすごいところ。韓国という国のあのおばあちゃんの世代の人々がもってる業の部分、今の若者とは比べ物にならないような根本的な業を背負って生きているというのが、セリフでの説明じゃなく、スムースに入れてくるんですよね。ほんと語りがスムースだし、やっぱ超うまいんですよね。

「こちらから見りゃサイテーな人、だがあんなんでも誰かの大切な人…」という宇多さんのリリックがうかびます。。




あと、もう一点、ただ単にウェルメイドなコメディでおわらせてない点として、ちゃんと「死」というものの存在を意識させているということ、これがものすごく物語に深みを与えていて、ものすごく効果的に作用しているんですよね。中盤で一か所、ある人物の「死」が描かれる場面、あそこをちゃんと入れてくるあたりがさすがだと思うし、ラスト周辺の感動により深みを与えていると思います。

この映画、老若男女楽しめるという意味では間口はものすごーく広いのでほんとみんなに見てほしいなぁと思います。 僕は普段進んで観るような映画ではないけど、しっかりと楽しめました。「サニー 永遠の仲間たち」みたいな爆発力や完成度は正直感じられないけど、この題材でここまでいける韓国映画やっぱすげぇなと思いましたよ。というわけでおすすめですよ!


最後の最後エンドロールで流れるある一文になにも感じない人はいないのでは。とても楽しかったですよ!



おわり


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スタッフ


監督

    ファン・ドンヒョク 

撮影

    キム・ジヨン

美術

    チェ・ギョンソン

音楽

    モグ


キャスト


    シム・ウンギョン オ・ドゥリ

    ナ・ムニ オ・マルスン

    イ・ジヌク ハン・スンウ

    ジニョン パン・ジハ

    パク・イナン パク氏

    ソン・ドンイル パク・ヒョンチョル

    ファン・ジョンミン

    パク・インファン



作品データ

原題 Miss Granny

製作年 2014年

製作国 韓国

配給 CJ Entertainment Japan

上映時間 125分

映倫区分 G