「スノーピアサー」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。





スノーピアサー
2月7日(金) 18:40~ TOHOシネマズ六本木


好き度: ★★★☆☆ /5点


また、変な映画を撮ったポン・ジュノ




観たの2週間くらい前なんだけど、未だにこの映画好きなのかわかんないんですよね~w まぁ適当にメモメモ。

なんといっても監督がポン・ジュノ。今一番信頼できる監督と言っていいでしょう。とにかくハズレがない。どの映画もものすごく魅力的かつ変という。そんなポン・ジュノがハリウッドデビュー、しかも近未来SFということで一体どんな映画になるのか、ハリウッドに食われてないか、世界観広げすぎなんじゃないか、いろいろ不安はあるものの圧倒的に期待の方が大きい状態、というか、おもしろくないはずがない!というテンションで行ってきました。


結論としては、映画としてはとても楽しみました!今回も相変わらず変な映画でしたね~。今回はかなり寓話性が高くて、描写というか構図がかなり抽象性の高いつくりのように思いました。だから、すげぇツッコミどころも満載ですし、世界観を広げたぶん消化できてないところや、言葉での説明が多くなってて、ダルイところもあったし、なるほど賛否両論なのも納得の映画でしたよ~。笑  でも、思い出すと好きなシーンもいっぱいあるし、全然嫌いじゃないし、しっかり楽しんだし!思い出すたびに、相変わらず変な映画だな~という感じを受けます。あと、もはやポン・ジュノという名前自体がとてつもないハードルになってるんだなぁというのも感じましたね~。


後方車両の貧民が、前方車両の富裕層を撃退し革命を起こす。しかも列車という前後の動きしか取れないという設定がとても構図としておもしろかったし、いきなりネタバレになるけどそれがしかもコントロールされているものだったというラスト。最終的に人類はリセットされアダムとイブに回帰するラストも抽象的でツッコミどころもあるんだけど、すげぇ変な詰め込み方で大好きでした。演出がクドいというか濃いなぁというのがいろいろあったり、あとラストがガッツリセリフでも説明になっちゃうのがちょっと萎えたなぁっていうところもあったり。おもしろいんだけどね!


ツッコミどころがいっぱいあるけど、細かい設定がおもしろのが近未来SFの醍醐味!という感じで、楽しい近未来設定がたくさんありました。貧民層が食べるご飯がプロテインの寒天みたいなもので、しかもその原料がゴキブリとかイナゴのような虫というのも最高でしたw あと、腕を外に7分出されてカッチカッチに腕を凍らせてハンマーで人たたきして腕を切断するというおしおき!ひどい!


列車が1周すると1年という設定もおもしろかったし、闘争中に年越してみんなで「おめでと~ヽ(´▽`)/」というシーンもバカで最高でした。列車の車両ごとのおもしろみもあって、唐突な寿司屋からはじまり、小学校シーンのキチガイっぷりも笑っちゃったし、あの女教師の顔面力含めてw

戦闘シーンはグロシーン抑え目でしたが、暗闇シーンからの松明での逆転シーンとかよかったし、序盤のドカンの中から現れるゲリラシーンとか、個人的にお気に入り。



いつの時代も突撃のシーンはドカンとかをつかうんだなぁというのがよかったし、突撃~!までの時間がはじまって割とすぐ行く感じはすげぇ好きです。ゴタゴタ前半でやられるより。あと、数少ない銃撃戦でしたが、列車の違う車両にいながら、カーブを使って銃撃戦をするというシーンもとても好きでした。


キャラクターもよかった。みんな言うだろうけどティルダ・スウィントンの振り切りっぷり、この役を受けるディルタすげぇっす。入れ歯シーンとか、寿司屋であの寒天食わされるシーンとか笑っちゃった。


キャプテンアメリカくんもよかったよ。この人物の過去が語られるシーンの悲惨さ、「腕」で救われた彼が「腕」を犠牲にして救うというラストもよかったです。人肉食ってた、しかも赤ちゃんを食ってたってのはショックだったなぁ。。ソン・ガンホもよかったです。相変わらずかっこよかったし。ちゃんとドロップキックしてほしかったけど。




グエムルに拉致されたコ・アソンがとっても可愛かった。こう見えてヤク中だったり、次の車両に人がいるかどうかわかるというシックスセンスの持ち主という設定もとてもよかったし、扉を開けるたびにヤクをねだるシーンが可愛かったなぁ~。



ラスト、ウィルフォードさんによる電車=世界の縮図だというお話があるのですが、ここもセリフセリフでの説明になっちゃってて、ちょっとブサイクだった気がします。その前にソン・ガンホとも会話会話だからなぁというのもあって。白熊ちゃんも、その前にソン・ガンホが生物がいることを含ませすぎててもうちょいサプライズ感あってもよかったかなぁと。まぁ白熊というのはまさかでしたがw ラストの生き残った2人が、ジア人と黒人の2人というのもポン・ジュノならではでおもしろかったです。

まぁラストの爆発シーンで子供2人を生かすために大人が包み込んで助けるというシーンにもわかるように、世界の縮図(資本主義社会)や神話的なことをすごく抽象化して表現していることによるツッコミどころがたくさんある気がします。あの爆発で生き残るわけないわけだし。その他のツッコミどころもだいたいこれが理由だと思います。

でも、しっかり楽しんだし、言いたいこともあるけど、おもしろかったし~。今のところ楽しかった!…はず!まだよくわかんないなぁ。好きなはずなんだけど。どうなんだろう。。。


おわり


◆◇そーす太郎的注目ポイント◇◆

コ・アソン超かわいいなという件



「韓国人犬食うのかよ」と初めて知った1作目。ペ・ドゥナが犯罪的に可愛いし超おもしろいし爆笑だし、超変な映画。

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怪獣映画であり、オフビートな家族コメディであり、環境問題など社会風刺映画であり、という奇跡的なバランスのグエムル。グエムル型の怪獣映画なら日本でも作れると思うでんすよね~。ゴジラサイズは無理でもこのサイズなら!だれかよろしく!
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ポン・ジュノ映画でいちばん好きな母なる証明。不穏なダンスシーンではじまり、なんとも言葉で表しにくい感慨のダンスシーンで終わるラスト。このラストは「悪魔のいけにえ」のラストに酷似してるよね!という最近の発見。
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スタッフ

監督  ポン・ジュノ

製作  パク・チャヌク
     イ・テフン

原作  ジャン=マルク・ロシェット
     ベンジャミン・ルグラン
     ジャック・ロブ

脚本  ポン・ジュノ
     ケリー・マスターソン

撮影  ホン・ギョンピョ

音楽  マルコ・ベルトラミ



キャスト

 クリス・エバンス カーティス
 ソン・ガンホ ナムグン・ミンス
 ティルダ・スウィントン メイソン
 ジェイミー・ベル エドガー
 オクタビア・スペンサー ターニャ
 ユエン・ブレムナー アンドリュー
 コ・アソン ヨナ
 ジョン・ハート ギリアム
 エド・ハリス ウィルフォード
 アリソン・ピル

作品データ
原題 Snowpiercer
製作年 2013年
製作国 韓国・アメリカ・フランス合作
配給 ビターズ・エンド、KADOKAWA
上映時間 125分
映倫区分 PG12