「フィルス」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

そーす太郎の映画感想文

しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。



この映画、確実にネタバレないほうが楽しめると思いますので、あんまり読まないほうがいいかもです。







フィルス。これは良い、事故だった!


「フィルス」、予告観た時点でコカイン!セックス!汚職!って感じでしかもR18ということでこれはおもしろそうだなぁって思いまして、渋谷シネマライズで観てきました。シネマライズ、いつの間にか学生は平日1000円になってて、すげぇ助かりますなぁ(´∀`)

というわけで、フィルス。終始ハイテンションなドラッグ!セックス!フォーーゥ!な感じかと思いきや。後半、主人公のいろんな秘密が明らかになっていくにつれ、ものすごく悲しいく切ない話にスライドしていくという。。予告の時点では想像していなかったところに連れて行かれました!最後とか、まさかこの映画で泣くとは思わなかったよ!

主人公のマカヴォイは本当にクズ警察で、汚職につぐ汚職、同僚の妻とセックス、友達の妻に超しつこいイタ電、仕事中にコカイン・酒は当たり前、ほんとうに気持ちのいいくらいクズなのです。

そんな主人公と並行して、主人公の妻のひとり語り&イメージビデオ的なものが入り込んできます。ここの映像のなんともいえない異世界感、そして妻の熟した美しさがとても良かったのです。序盤いきなりその妻と思われる人が「これ、人殺したのかな?」と思わせる場面や、途中ミュージカルになったりととにかく何かとんでもなく不気味なカンジが続きます。

前半は、主人公の汚職!クスリ!酒!セックス!満載の大変愉快な場面と、妻と思われる人物が自分の夫婦論とか哲学を喋りつつどこか不気味な雰囲気の映像が続く場面が交互に描かれます。主人公はほぼヤク中なのですがそのため幻覚を見て人の顔が動物の顔に見えちゃうという描写がこれもまたとんでもなく不気味だしおもいっきりホラー的な演出でとてもおもしろかったです。しかもこの描写の積み重ねが終盤のある展開に効いてくるというのもすごくよかったヽ(*´∀`)ノ

で、後半なんやかんやありまして昇進まじかと思われていた主人公がどんどん落ちぶれていく。クスリと「過去にあったと思われる何か」にとりつかれおかしくなっていきます。

そこで前半の妻と思われていたものの描写と主人公の話がついに合流するのですが、ここが割とマジでびくりしたというか、そこが明らかになっていく過程の見せ方とかがすげぇうまいし、主人公はとんでもないクソ野郎なんだけどどんどん感情移入しちゃって、しまいにはちょっと泣いちゃいましたよ!その辺の見せ方とかはフィンチャーの「ファイトクラブ」の謎がわかっていく終盤の興奮に近い感じの感覚を覚えるくらい「おおお!」と興奮しました。デパルマっぽくもありました。

そして、ラスト!あのクソ主人公が唯一みせた「優しさ」により、このクソ野郎に救いがくるのか~?なんて思ってたところに「ルールに例外なし。」ドーンからの、愛らしすぎるアニメーション。なんかここでほんとウルッときてしまいました。話の終着点はジェームス・ガンの「スーパー!」のある種の展開に近いものを感じました。何とも愛おしく、切ないアニメーションほんとに良かったです。

おもってたのと違うのが来た、良い事故でした!


おわり。



コピー機のチンコの件、最高でした。