「四十九日のレシピ」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 


終盤にまったくのれなかったなぁ。。


タナダユキ監督作品ということで観に行ってきました。とにかく、去年観た「ふがいない僕は空を見た」がほんとうにほんとうに素晴らしい映画で、去年の邦画ではベスト級に好きでしたね(´;ω;`)イイエイガダー  というわけで、本作予告見た時点でけっこうふがいない~と共通する不妊というキーワードがあったりして、しかも大好きな永作博美さんと二階堂ふみちゃんが出てる!ということでけっこう楽しみにしておりましたが。。

今回の映画、演出や役者の演技はとても好きです!賛否両論あるみたいですが、主演の永作さんの演技はとても良かったと思う。演技というより顔のニュアンス表現というか、口には出さないけど顔に出ちゃってる感じの演技がすごくよかったです。そして二階堂ふみちゃんの演技、表面上は賑やかしくしているけどふっと見せるどこか寂しげな表情とかすごくよかったですよ。二階堂ふみと石橋蓮司がしゃべりながら買い物に行くシーンの何とも言えない自然さ、womanのときも思いましたが、ああいう自然な喋りが本当に魅力的でした。石橋蓮司、淡路恵子のベテラン2人の演技も貫禄がありました。淡路恵子は普通にああいうこと言ってそうな感じがよかったです。岡田将生は蛇足だしさすがに無理があると思いましたが。。

で、この映画中盤までは、ツッコミどころはありつつもおもしろかったし、好きでしたし、泣きました。永作博美が実家に帰るまでの流れも良かったし、実家に帰ってからの今話題の「奇妙な共同生活」もツッコミは入れつつもキャラクターの魅力でなんとか楽しく見ることができました。(そもそも設定に無理がある気がするけどそこはおいておこう。。) 途中、永作さんが不倫相手に合っちゃう場面は最高でした。修羅場感、気まず感、人間の欲とエゴが噴出しまくる感じ、そしてそのあとの永作博美の表情含め、この映画で一番好きな場面です。タナダさんのSな部分が存分に出てて非常に好み。

この映画のゴールは、子供がいなくてもいないなりの幸せはあるんだぞ!ってことを語ることだと思います。終盤、四十九日の大宴会の場面。淡路恵子の超ひとでなし発言がありまして、淡路恵子がひとりでキレて帰りますよね。あそこからの展開が急に雑になるんですよね~。言いたいことはわかるしやりたいことはわかるんだけど、風呂敷のたたみ方がすごく雑な印象を受けました。淡路恵子が帰った瞬間、おっかさんにお世話になった人たちがお邪魔しまーすなんかいって一気に入ってくるやいなやいきなり年表を見て、「あたしもかいていいですかー」とか。今まで丁寧に積み上げてきたのに。。とがっかりしました。

まぁ年表が埋まって、「子供がいなくてもこれがある!」というラストはテーマ的にも正しいラストだと思います。そこで終わって良かったんじゃないかなぁと。さらにそこから、キレてた淡路恵子がフラダンスの衣装着て大宴会なら踊らなきゃとか言い出す件は正直正気かと思っちゃいました(笑) 

さっきまで散々ひでぇこと言ってたじゃねぇかクソババア!なにが踊りましょうだ!そんなことで許されると思うなよ!ヽ(`Д´)ノクソババア   なーんて思っちゃったのは俺の心が狭いからかな(笑) 

そしてさらにそのあと、夫が戻ってきて、やり直したいと土下座。そこから、永作は夫の元に戻るのですが、そこのラストも正直蛇足だと思いました。その前に僕には永作さんの行動原理がわかりませんでした。夫がクソ野郎すぎて。(犬の件とか一応フェアには描こうとしていたけど。) 

今回は、ふがいない僕は空を見たのような完成度の高さや爆発力は感じませんでした。しかし、前半はすごくよかったです。役者さんもよかったです。もうちょっと脚本段階で、設定とテーマをもっとブラッシュアップさせてほしかったです。特に終盤はかなりガッカリ感がありました。。

まぁでもホロっと泣いちゃったところもあったし、、うーん、好きだけど、なんか惜しい映画でした。


おわり。



ジェーンスーさんの本が出てることでもお馴染みポプラ社から出てますね。

 

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この映画に関しては本当に文句がないというかほぼ完璧じゃね?くらいに思ってます。
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