「コララインとボタンの魔女」のライカ・エンターテインメントが手がける3Dストップモーションアニメ。300年前に魔女狩りの現場になったと言われている町、ブライズ・ホローに暮らす少年ノーマンは、死んだ人たちと会話することのできる能力をもち、そのせいで周囲から変わり者扱いされていた。そんなある日、ノーマンは疎遠になっていた叔父から、ブライズ・ホローには「魔女の魂」が封印されており、その魂が悪霊を呼び寄せて町を滅ぼそうとしていることを知らされる。死者と話す能力をもった者たちが何代にもわたり町を守ってきたことを知り、叔父からその役割を受け継いだノーマンは、封印された魔女の正体を解き明かし、町を守るために立ち上がる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
パラノーマンすごく楽しかったし、ズシッとくる映画でした~。前知識ほとんど入れていかなかったのですが、想像していた映画と違ったというか、ここまで深く切り込んでいくのか~と感心いたしましたし、想像以上にハードな内容でした。お化けいっぱいでてきて「わー楽しい!( ´ ▽ ` )」な映画かと思ってましたが、もっと深いところに連れて行かれました。
主人公ノーマンは幽霊が見えて会話ができるという能力を持っています。それが原因で、学校でいじめられているという、さらに家でも変人扱いされているという。主人公がこういう状況にいる映画ことしはかなり多い気がしますね、そして全部素晴らしいという。というか好きな映画多い。
んでいろいろありまして(雑w)、街を救うべく、魔女の呪いをときに行くノーマン。この過程でゾンビ復活キタ━(゚∀゚)━!!
ゾンビたちがすごく良かった。随所にロメロ映画へのリスペクトオマージュを感じる場面や、サム・ライミっぽいなぁなんてところとかもあり、とても楽しい!と、思っていたら、人間とゾンビの立場がどんどん逆転していき、とうとう人間の方がゾンビのようにゾンビを襲うようになっていくという、集団心理の怖さみたいなものをしっかりと描いていて、この辺からグッと重くなります。ゾンビは人間から嫌われるように呪いをかけられていたのです~。 このへんは全体的に「死霊のえじき」っぽかったなぁ。
このゾンビたちはかつてある少女を「魔女扱い」し、少女を死刑にした、魔女裁判の裁判員でした。その少女もノーマンと同様に死者と会話ができる能力をもっいました。 正直この映画を観る前は魔女裁判なんて出てくるとは思いもしませんでしたよ。ここまで踏み込むのか!とびっくりしました。「魔女の呪い」の「魔女」とはこの少女のことでした。 この「魔女の呪い」a.k.a.「少女の怒り」をおさめるべく、ノーマンは死者と話せるという能力をつかって少女と会話をします。ここからのシーンは本当に号泣メーンでした。同じような境遇にいる2人が心を通わせるこのシーンは今年見た映画の中でもかなりグッときました。同時に、やっぱり人間って残酷な生き物ですよ。この魔女裁判ってホントにあったことですからね。信じられないけど。そして今も同じレールの先にあるいじめは存在しているわけで。。なぜいじめは存在するのか、というところまで持っていくという。最近観た『シュガーラッシュ』が同じようなことを描いていますよね。シュガーラッシュはよりフィクション性が高い作りですが、パラノーマンはよりリアルを突き詰めたような感じ。本当に正しい倫理観で描かれている映画だと思います。メッセージ的にも子供に観て欲しい、というか観るべき。日本語吹き替えはやってないっぽいので、そこはやってほしかったなぁと思いますねぇ。
六本木の映画館で見たんですけど、お客さん3人でした。3人とも号泣ですよ!観て損はないっすよまじで。観たほうがいいっすよ。てか観るべきっすよ。
おわり。