旅立ち | たそまらのんな~猫たちとの日々

たそまらのんな~猫たちとの日々

縁あって出会った猫たちとの毎日を、気の向いた時に綴ります。 
時々2022年に子宮頸がんにより30代で旅立った最愛の娘へのメッセージも…
2024年5月16日次男猫ソラが虹の橋へ

緩和ケア病棟に転院する前日

大学病院の医師より電話があった

頑張った娘へのねぎらいと

今の状態がかなり厳しいことが告げられた


転院の朝

病院の許可を得て

娘の親友Bちゃんが私と一緒に介護タクシーで娘を送ってくれた

コロナ禍で面会ができず

しばらく会えなかった2人は

久しぶりの再会にとても喜んでいた


タクシー内では介護ベッドに横たわる娘の一番近くに座ってもらい
ゆっくりだけど
普通のおしゃべりができていた
娘の楽しそうな声が
嬉しかった
Bちゃん、ありがとうね

もちろん
緩和ケア病棟も面会は禁止
でも
予約制でタブレットでの面会ができた


このにこちゃんマークが娘からの
最後の返信
文字はなかった

その後も
既読にはなるが
マークだけの
返信もなかった


最後は実家で…

と聞いていた緩和ケアの医師は
早めの退院を勧めた

もう娘には時間があまりないのがわかったのだろう
転院してからわずか5日で
退院することになった

24時間の訪問介護をお願いするとともに
自宅介護のためのレクチャーを息子と受けた
そして購入した介護ベッドよりも
娘がさらに快適に過ごせるベッドもレンタルした

退院の前日の早朝
病院から呼び出しがあって
ヒヤッとしたが
どうにか翌日退院することができた
もう会話はできなかったが…

まさに坂道を転げ降りるように
様態は悪化していった

面会時に娘から
退院したら会いたいと聞いていた方々には
かなり厳しい状態だということを
娘の携帯から私が連絡した

病気のことを知らない人たちばかりで
驚かせて申し訳ない気持ちだったが…

退院当日にもかかわらず
大勢の会社の上司、同僚、後輩の方々、友人、同級生たちが
次々に会いにきてくれた

そして
皆が帰り
日が変わり
午前3時過ぎ
私と手を繋いだまま
息を引き取った

家に帰って来られてよかった
会いたい人たちに会えて本当によかった
来てくれた方々は
娘と会えたことに感謝してくれた

会話ができなくても
みんなが来てくれたこと
わかったよね

予後1ヶ月

1ヶ月なんて無理だったんだ…


ありがとう
今までたくさんの幸せをくれて
ありがとう
私の娘になってくれて

愛してるよ
ずっとずっと愛してるよ

葬儀の日は
娘の誕生日でした


娘に食べてもらおうと
新米が出てすぐに買ったのに
一度も娘のために炊くことはなかった

やっと冷蔵庫のペットボトルに移した

まだまだ
夢の中にいるような
感覚に陥ることもある
でも
たくさんの花のある祭壇の真ん中で笑ってる娘がいる
娘の名前の入ったお位牌が目の前にある

娘はなぜ
普通に生きることが許されなかったんだろう

痛みから開放されたんだと思っても
悔しい

娘と同世代の人や
母娘を見るのがつらい

それでも
私は生きていかないといけない

泣きながら無駄に過ごす一日は
娘が生きたかった大切な一日だから