医療ソーシャルワーカーの休日 | 社会福祉士徒然草

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社会福祉士のお仕事ライフを
気ままにつづります。
(今は医療機関で働いている兼業主婦です)

久々の休日です。


毎週ではないけど、土曜日か日曜日、出勤になることがあります。

今の職場では研修も担当しているので、

「どういうテーマだったら受講者が集まるか」

「講師はどういう話し方してるか」

「そもそもどんなタイトルなら受講者が来てくれるのか」

・・・いやあ、ほんとわかんない(苦笑)。


一緒に働いている上司は、研修会の企画は

もう何年もやっていることなので、

講師を決めたり、内容を決めたりすることは

朝飯前のようで、あっと言う間に決めてしまう。


「か、会場押さえますかあ?」

聞くのが精いっぱい(でもって、会場も既に

予約してくれちゃってたりするのよね)。


とりあえず研修の前後の事務作業はかなり

覚えたのだけれど、企画のところはほんと苦手。


少しずつ覚えないとなあ、と思いながら、

今日は一日、何の予定もなかったので、

家事してました。

部活に行く息子に弁当を作って送り出して、

洗濯して、干して、掃除機かけて、

買い物に出かけて。


合間にとりためていたビデオを消化。

中村勘三郎さんの一周忌のドキュメント見ながら、

思わず涙してしまった。


病状が重くなり、いよいよ勘三郎さんに

人工呼吸器をつけることになったとき、

勘三郎さんの奥様が、承諾書にサインしたくない、

と言ったという。

中村勘九郎さんが、泣く泣くサインするんだけども、

役者にとって声を奪われることが何を意味するのか。

闘病しているのは父親だけど、

大先輩でもある、という心理。


あの承諾書ってねー、ほんとサインするとき手が震えるよ。

私も、自分の父親が倒れたって連絡が入って、

病院に駆け付けた時に(父親の妻、つまり私の母が

外出していて連絡がとれず、病院に先に着いたのが

私だったのですよ・・・なんせ携帯なんてない時代の話ですから)

手術の承諾書を渡されて、サインを迫られたわけなんですが・・・。


もう意識なくて(くも膜下出血だった)、とにかく手術をしないと

命が危ない。サインしないとお医者様、手術してくれない。

死んじゃうかもしれない。

でも、本当にこの病院でいいの?(←救急車で運ばれた病院だが、

どういう訳か父はずっと「この病院だけは嫌だ」と言っていた)

他の病院、調べなくていいの?

お母さんはまだ到着しないの?連絡つかないの?

私がサインしないとだめ?


・・・結局私の父はその病院で手術したものの、

出血がひどくて、しかもその後再出血しちゃって、

手術の甲斐なく一週間ほどで亡くなるのだけれども、

倒れたと連絡が入り、病院に駆け込み、承諾書にサインしたことは、

二十数年たった今でも、しっかりと記憶に残ってしまってる。


勘九郎さんも、ずっと、ずっと、私もあの日感じた

ずっしりとした暗い思いを、抱えてこれからも

生きていかなくちゃならないんだろうなあ。

(インタビュアーが、「でも、サインしたことは仕方なかったですよね」

っていうニュアンスのことを言って、慰めようとしているって

わかるんだけど、でも、でもね、あの書類にサインをすることの重み、

わからないんだろうなあ、って聞いてて思ってしまったよ・・・

そうめったにあることではないし、無理はないんだけども)


でも、勘九郎さんには前を向いて歩いてほしい。

地方への襲名披露公演しながら、東京の父親のお見舞いを

こなしていたなんて。大変だったんだな、って改めて思った。


結局休日もこういうビデオ見ちゃってるもんだから、

休日という感じはしないですけどね。


明日も息子は部活で、弁当を持っていくと言っているので、

主婦しよーっと。