12/12(火) 三の丸尚蔵館国宝  ①【春日権験記絵 巻十九】 国宝 ②【藤折枝蒔絵箱】 | そんな感じ。 since March 28, 2005

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日常生活の中で、ふと感じたこと。

関心したこと。

その時の感性のおもむくままに気ままに書き留めています。

2023年12月12日(火) 雨後曇一時晴

【横浜】最高気温 16.6℃ / 最低気温 10.5℃

 

皇居三の丸尚蔵館 開館記念展が2023年11月3日(金)~2024年6月23日(日)まで開催されています。

その中でも第一期(11/3~12/24)の展示が「三の丸尚蔵館の国宝」で5点の国宝が展示されていて、お得感満載。

写真撮影もOK!でした。

 

国宝 ①【春日権験記絵(かすがごんげんげんきえ) 巻十九】

高階隆兼(たかしなたかかね)延慶2年(1309)頃/絹本着色

Volume 19 of Illustrated Miracles of the Kasuga Deity(神)

 

※藤原氏の氏神、奈良・春日大社の草創と、霊験の数々を描いた全20巻からなる絵巻。

左大臣・西園寺公衡(きんひら)の発願により制作、絵は宮廷絵師の高階隆兼が描きました。

豊かな色彩と精緻で気品あふれる描写による、中世やまと絵の代表作。

明治時代に※鷹司家(たかつかさけ)より献上。

 

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※中臣鎌足が大化の改新の功により天智天皇に賜った「藤原」の姓が、子の藤原不比等の代に認められたのに始まる。
藤原氏の一族は、奈良時代から平安時代までは本姓の「藤原」を称したが、鎌倉時代以降は姓の藤原ではなく、「近衛」※「鷹司」「九条」「二条」「一条」などの苗字に相当する家名(家格)を名のり、公式な文書以外では「藤原」とは名乗らなかった。

 

13:11 

『「春日権現験記絵」巻十九第二段

直前の場面では社から御神体の神鏡が14面盗まれ騒然としていますが、ここでは初冬の厳かな春日山が広がります。(解説より)』

 

木々に粉雪が積もった描写が可愛い。

 

『悪党と興福寺の衆徒(僧兵)が血生臭い戦いを繰り広げ、衆徒は死闘の末に3面の神鏡を取り戻します。(解説より)』

 

漢字はまぁ読めますが、変体仮名はまったく歯が立たない。

来年の目標は変体仮名の習得!

 

で、ここに書かれている内容は解説の日本語と英語を読んで分かりましたが、「平田庄の地頭」のくだりが分からない。

 

 

 

『「春日権現験記絵」巻十九第三段

大和国(奈良県)の常葉(ときわ)にある仏堂から虹が出ました。

行き交う人々が不思議に思って堂内を見ると、盗まれた神鏡3面が入った袋が見つかります。(解説より)』

 

 

Here the story returns to a scense of tranquility, in stark contrast to the violence of the prior battle.

A rainbow appears over a small Buddhist hall in Tokiwa in what is now northwester Nara Prefecture.

Curious passersby gather around the hall. 

 

ここで物語は、以前の戦いの暴力とはまったく対照的に、静けさの場面に戻ります。 

現在の奈良県北西部、常葉にある小さな仏堂に虹がかかります。 

好奇心旺盛な通りすがりの人々が仏堂の周りに集まります

 

Inside, they discover a bag hanging over the altar and open it to find three more  of the sascred mirrors.

A note attached to the bag claimes the mirrors were stolen by Masayasu no Kaja of Ryofukuji Temple. 

The passersby take the bag of mirrors and set out to entrust them to the monks at Konshoji Temple.

 

中で彼らは祭壇の上にぶら下がっている袋を発見し、それを開けるとさらに3枚の神鏡が見つかりました。 

袋に添えられた書き付けは、鏡は良福寺の政康冠者が盗んだものと記されていた。 

人々は鏡の入った袋を手に取り、金勝寺(こんしょうじ)の僧侶に託そうと出発する。

 

『「春日権現験記絵」巻十九第三段

神鏡を近くの金勝寺(こんしょうじ)に移したところ、二上山に黒雲、春日山に瑞雲がたなびくという不思議な現象がありました。(解説より)』

 

神鏡を盗んだ政康冠者がいる良福寺は、二上山(ふたかみやま)の麓にあり、春日大社は春日山の麓にあるから、二上山は暗雲、春日山には瑞雲(めでたい兆しとして出現する、紫色や五色の珍しい雲)がたなびいたということで、良福寺にはこれから不吉なことが起こると、思いっきり良福寺一派をディスる逸話なんですね。

 

国宝 ②【藤折枝蒔絵箱】

 

鎌倉時代(14世紀) / 木製漆塗・蒔絵

『「春日権現験記絵」を納めていた箱。

黒漆塗りの箱の蓋表と金銅製の紐金具には、それぞれ金高蒔絵と透かし彫りにより、藤原氏と春日大社ゆかりの深い藤花の文様が表されています。(解説より)』​​​​​