2018年10月05日(金)
9月26日(水)に放送されたNHKスペシャル「“樹木希林”を生きる」を見ました。
10月20日(土)午後4時00分〜 [NHK総合]で再放送予定だそうです。
映画『万引き家族』の撮影にあたって『なんで、(希林さんが演じる)このおばあさんは見ず知らずの人を家に入れて暮らし始めたのか、分からないのよ。 知らない人を入れないでしょ?』と是枝監督に確認していたシーンが印象的でした。
そして、PETの画像を記者に見せて、『一年半振りに撮ったら、こんなに転移していたの。 余命は年内、もしかしたらもっと早いかもしれないと言われたわ。』と余命宣告されたことを語っていらした。
余命と向き合って身辺整理しつつ、最後まで仕事をこなし、疼痛コントロール以外の治療を拒否する・・・
自分自身の将来の“死”について想像してみたけど、ここまで潔く生き、そして死に迎えられるだろうか。
希林さんの場合、経済的な不安はなかったにしても。
それはともかく、樹木さんの残された言葉はとても心に響くものがあります。
樹木希林さんの出演された映画「モリのいる場所」、今年見ておいて良かったなと思った。
不登校新聞のインタビューもズシリとくるものがありました。
→ 「樹木希林さんはギャラ求めず、取材中の食事代まで払ってくれた」不登校新聞編集長が明かす
釈迦の弟子でダイバダッタという人がいて、釈迦の邪魔ばっかりする・・・どころか釈迦さんの命さえ狙ったりする。
釈迦もこれにはそうとう悩んだが、ある日、「ダイバダッタは自分が悟りを得るために難を与えてくれる存在なのだ。」と悟る。
『私は「なんで夫と別れないの」とよく聞かれますが、私にとってはありがたい存在です。
ありがたいというのは漢字で書くと「有難い」、難が有る、と書きます。
人がなぜ生まれたかと言えば、いろんな難を受けながら成熟していくためなんじゃないでしょうか。』
誰のまわりにもダイバダッタはいる。
どう向き合えば良いのか?
『きっと自分だけが助かる位置にいちゃダメなんだろうと思います。
自分も降りていかないと。
夫は「不良になるのも勇気がいる」と言ってましたが、道を外すのも覚悟がいることです。』
サンデー毎日 2018年10月7日号に記載されていた言葉もすごく素敵だった↓。
*********************
1986年当時、樹木希林さんは毎朝5時に起きて弁当を作り、神奈川県厚木市の億にあるお寺で修行、薪割りなどの日課をこなしてから午後からNHKのドラマ撮影入りをしていた。
雨が降ろうがヤリが降ろうが、自分を甘えさせないために続けた。
『倦(う)まず弛(たゆ)まずやり続けていくうちに苦痛がなくなっていくんです。
主婦が台所病にかかるでしょう。
私の人生、このままでいいのかって。
これはやり続けるしかないんですよ。
何の役にも立たないようなことでも、やり続けることでしかその尊さが見えてこないんです。』
*********************
生きることに、とても勇気づけられる言葉でした。